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弁護団と沖縄の避難者の方々と出会いについて

2015.08.01 10:45|なりわい弁護団より
なりわい弁護団のfacebookページの投稿記事より転載します。
https://www.facebook.com/nariwaikaese

『プロメテウスの罠』連動企画(5)

今回は、弁護団と沖縄の避難者の方々と出会いについてご紹介します。

2011年12月24日、「つなごう命~沖縄と被災地を結ぶ会」からの要請を受けて、弁護団共同代表の安田弁護士と弁護団事務局長は、初めて沖縄に避難した方々とお会いします。

当時、沖縄には1000名を超える方々が避難しており、会場には100名を超える方が参加。座る場所がなくなり立見の方が出るほどの状況でした。

「つなごう」は、事故後まもなくして、沖縄現地の支援の方々と避難した方々とが協力して立ち上げた会で、避難者と地元の方々との交流を図り、避難者の方々の要求をとりまとめ、改善を求めていくことなどを目的としています。バザーを定期的に開催するほか、医療機関と協力して健康診断を行ったり、沖縄県などに対して改善を求める取り組みなどを行っています。弁護団も、バザーに参加し、会場の一角で法律相談を行うところから沖縄での活動を始めました。
こうしたつながりを経て、原告団沖縄支部を立ち上げるまでになりました。

新聞に映っている那覇市民会館の和室は、弁護団にとっても大変思い出深い場所です。

紙面は、2011年12月25日付の沖縄タイムスと琉球新報です。


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※以上 転載おわり
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福島県知事選 原告団の公開質問状と各候補者の回答

2014.10.19 23:03|なりわい弁護団より

作成: 「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団
以下、生業訴訟公式サイトより転載
http://www.nariwaisoshou.jp/activity/entry-465.html


福島県知事選 原告団の公開質問状と各候補者の回答
(2014年10月17日)

福島県知事選挙の各候補者に送付した質問項目と、各候補者の回答を公開いたします(五十音順)。
各候補者の回答について、編集や加工は加えていません。同一候補者の回答のなかでの漢字表記とひらがな表記の揺れなども、そのままで表記しています。

事故後初めての県知事選挙となります。
有権者の方にはもちろん、多くの方にご覧いただけたらと思います。


1.原発事故について、国および東電に法的責任があるとお考えですか?
  また、「ある」とお考えの場合、国および東電に対し原発再稼働や賠償・支援体制の抜本転換等、県として申し入れるべきとお考えですか?

〇五十嵐義隆候補:
 ある。ただ、賠償の割合があるのではないかと思う。また海外のメーカーにもあるのではないかと考えています。賠償や支援体制の抜本転換等の県としての申し入れですが賠償の責任の負担割合がでたあとに、足りない分は民間からの基金や保障でも補填ができるのではないかと考えています。

〇伊関明子候補:
 国と東電に責任を試算させ賠償させます。

〇井戸川克隆候補:
 ある。県として完全賠償、さらに補償を要求すべきです。県民主導の原発被害解消委員会をつくり、県が事故被害算定し、東京電力と国に賠償と補償をもとめます。

〇内堀雅雄候補:
 事故の責任の所在については、国の責任において更に詳細な調査・検証が重ねられるべきものと考える。また、事故原因究明のためにも、汚染水問題も含めた原発事故の早期完全収束と安全・着実な廃炉を国と東京電力が責任を持って進めていく必要がある。

〇金子芳尚候補:
 法的は別にして、責任は間違いなくあると思います。申し入れるべきと考えます(内容を精査して)。

〇熊坂義裕候補:
 ・原発事故については、国及び東電に法的責任があると考えます。
 ・原発の再稼働について、県は東電に対し第2原発を含む10基すべての原子炉の廃炉を速やかに確約させるべきです。
 ・県は県外のすべての原発の再稼働停止を国に対して強く要求すべきです。
 ・当面、県は隣接県の原発の再稼働を停止すべく、新潟県(柏崎)、宮城県(女川)及び茨城県(東海)の知事に対し再稼働に同意しないよう申し入れるべきです。また、再稼働に必要な同意に関する地元自治体の範囲を立地県のみでなく隣接県にも拡大させるべく原子力安全協定の見直しを、国及び関係の事業者に対して強く求めるべきです。
 ・また、申立人が認容できるADRの和解案については、これを尊重し誠実に受け入れるよう県としても東電に対して強く要求すべきです。 

 
2.県内全原発10基の廃炉について、どのようにお考えですか?
  また、廃炉が必要とお考えの場合、いつまでにやるべきとお考えですか?


〇五十嵐義隆候補:
 県内10基は廃炉にするべきです。一基あたりの正確な廃炉のロードマップをだして全基の総合的なプランをだす。IAEAでは一基辺り10年という案があるということですがいずれにしても最短の廃炉を目指します。

〇伊関明子候補:
 全廃炉。早急に(世界の知恵かりる)。

〇井戸川克隆候補:
 即時廃炉にすべきです。

〇内堀雅雄候補:
 県内にある原発10基の全基廃炉は明確。県民の総意であることから、当然に廃炉にすべき。

〇金子芳尚候補:
 廃炉の工程があると思いますが、できるだけ早くが県民の気持ちと思います。

〇熊坂義裕候補:
 1に記したように、県内10基の原子炉はすべて廃炉にすべきです。廃炉の時期については、汚染水対策や地下水の流入防止対策そして燃料がメルトダウンしたデブリの取り出しなど、困難な課題を抱える第1原発の廃炉作業を工程に従って着実に進め、その作業が安全に進められる見込みが立った段階で第2原発の廃炉作業に着手せざるを得ないと考えます。


3.国は、原発再稼働に積極的ですが、県外の原発の再稼働は必要だと考えますか?
            
〇五十嵐義隆候補:
 県外も廃炉を目指すべきです。福島県と同じ被害にあわないためです。

〇伊関明子候補:
 全廃炉。危険(断層、型式)の高いのから順次廃炉。

〇井戸川克隆候補:
 県外も含め、全原発を再稼働せず廃炉にすべきです。福島の現実を見れば当然です。

〇内堀雅雄候補:
 原発再稼働も含め我が国の原発政策については国民的な議論が重要であり、その論点を提示することが原子力災害の被災県としてなすべきこと。二度と同じ事故を繰り返さないことを基本に据え、福島の現状、原発災害とは何かを全国・全世界に発信し続けていく。

〇金子芳尚候補:
 これだけ酷い経験をした福島県民、地震や火山噴火など災害の多い国土と合わせ、県外の再稼働は止めるよう進言します。

〇熊坂義裕候補:
 県外のすべての原発の再稼働は必要なく、1に記したように再稼働に反対です。原発事故後3度の夏の電力需要期を乗り切ってきたのですから、需給的には十分対応可能なことが立証されています。また、再生エネルギーの固定買取に関してこれを中断しようとする電力会社が現れていますが、九州電力の場合、買取認定を受けたメガソーラーなどすべて接続した場合、夏場の電力需要量をすでにオーバーしていることが明らかになっていることからも、送電網容量の増強という問題はありますが、原発がなくても需給的には可能であると考えます。

 
4.原子力損害賠償紛争審査会の中間指針並びに中間指針追補について、どのようにお考えですか?
 また、問題があるとお考えの場合、どこをどのように変えるべきとお思いですか?


〇五十嵐義隆候補:
 問題の有無はいまの段階では評価できませんが更なる改善となることを願います。

〇伊関明子候補:
 早急に“会計の福島現象(補償、助成金が利益扱いで税金がかかる)”を中止→まちがった経済データが作られている。

〇井戸川克隆候補:
 中間指針は不十分です。放射線被害については終期がありません。県が原発被害解消委員会を作り、事故被害を算定し、国と東電に賠償、さらには補償を求めるべきだと考えます。

○内堀雅雄候補:
 原賠審が示す賠償指針は必要最低限のものであり、個々人の事情に配慮しながら、十分・迅速・確実な賠償がなされるべき。また、ADRの和解実例で、多くの被害者に共通する賠償については、原賠審による指針の反映によってしっかりと対応されるべき。

〇金子芳尚候補:
 調査、理解する時間を下さい。

〇熊坂義裕候補:
 中間指針においては、精神的損害の対象を「正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく(自主的避難者の場合には「相当程度」)阻害されたために生じた精神的苦痛」、すなわち、生活妨害による苦痛のみに限っており、放射性物質による不安や恐怖の類の苦痛は精神的損害として認めていません。しかし、避難指示区域外も含め追加被爆線量が年間1ミリシーベルトを超える地域では低線量被爆の不安を日々感じながらの生活を余儀なくされており、これを精神的損害として法的に評価しないのは加害者側に立った都合の良い理屈であると言わざるを得ません。放射性物質による不安や恐怖の類の苦痛も精神的損害として認めるよう、中間指針を改正すべきと考えます。

 
5.チェルノブイリ原発事故の放射能被害の8割を蒙ったベラルーシでは、8年をかけて国全体の正確で克明な放射能汚染地図を作成・公表し、日々の暮らしに役立てているといいます。このような正確な放射能汚染地図を福島でも作るべきだとお考えですか?

〇五十嵐義隆候補:
 あると良いと思う。私も震災の翌年にチェルノブイリに視察に行ってきましたが福島は更なる基準作りで世界に原発処理の積極的なモデルを作って行けることを願っています。

〇伊関明子候補:
 作るべき。

〇井戸川克隆候補:
 その通り作るべきです。事故は収束していませんので、県として、どこが危険かわかるように、情報発信検討会議をつくり、正しい情報を示し、県民が正しい判断をできるようにします。

〇内堀雅雄候補:
 放射線量等分布マップについては、航空機モニタリングの空間線量率と土壌調査の結果等をもとに、国と協力して作成し公開している。また、空間線量率についてもリアルタイムでモニタリングし、その結果を公開してい
る。県民の皆さんが安心して暮らせるよう、引き続きしっかりとやっていく。

〇金子芳尚候補:
 海外の経験や知識を福島でも活かしたいと思います。

〇熊坂義裕候補:
 少なくとも、追加被爆線量が年間1ミリシーベルトを超える地域に関しては、県民の安全・安心の確保のために、モニタリングのデータを随時反映させた放射能汚染地域を作成すべきと考えます。


6.放射能に弱い子どもや障害者を救うためには国の金銭的支援・医療費負担が必要ですが、県として制度化に向けて積極的に取り組むべきだとお考えですか?

〇五十嵐義隆候補:
 大賛成で、取り組むべきです。

〇伊関明子候補:
 県民全員(当時県にいた人)対象、医療費無料。

〇井戸川克隆候補:
 国はもちろん東電も医療費など負担する責任があります。県民に健康手帳を交付し、無料の健診と医療を行います。子ども・被災者支援法の理念は、県の条例として実現・実施していきます。

〇内堀雅雄候補:
 県民の健康を守るために、県民健康調査の実施により、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげるとともに、医師、看護師を始め、医療従事者の確保・養成を図り、県内どこでも十分な医療を受けられる県づくりに取り組む。また、18歳以下の医療費無料化も継続して行う。そのための財源確保を国に求めていく。

〇金子芳尚候補:
 それぞれの状況に応じて支援したいと思います。目標は自立です。

〇熊坂義裕候補:
 原発事故子ども被災者支援法は、被災者たる子どもが放射線被曝に起因する病気により治療を受けた場合の医療提供に関する施策を国が講じるべきことを規定しています。毎年の予算措置による補助金等の交付という形ではなく、より安定的に財源を確保していくために、医療費の提供を国の責任としてハッキリと明確化するために新たに法制化することを求めていくべきと考えます。

 
7.日本は地震・台風・火山の多い国ですが、それでも原発は必要だとお考えですか?

〇五十嵐義隆候補:
 この東日本大震災で大事故を経験したので同じことを繰り返す可能性は持つべきではないと思います。

〇伊関明子候補:
 思わない。近隣国からしたら脅威である。

〇井戸川克隆候補:
 原発は日本にも、世界にも必要ありません。福島の現実を見れば明らかです。

〇内堀雅雄候補:
 我が国の原発政策については国民的な議論が重要であり、その論点を提示することが原子力災害の被災県としてなすべきこと。二度と同じ事故を繰り返さないことを基本に据え、福島の現状、原発災害とは何かを全国・全世界に発信し続けていく。

〇金子芳尚候補:
 必要ない。合わない。

〇熊坂義裕候補:
 そもそも地震大国あるいは火山列島である日本に原発を作ること自体が無謀なことであったと思います。日本に原発は必要ありません。全国の原子炉の廃炉、脱原発に向けて舵を切るべきです。

 
8.東電福島原発事故の直後に国からFAXで届いた「スピーディー」の情報を福島県は住民に公表せず、そのために福島県民を大量被ばくさせたことについて、県のとった判断・行動をどのように思いますか?
 
〇五十嵐義隆候補:
 県にしろ、国にしろ緊急時のリーダーシップについてが問題だと思います。

〇伊関明子候補:
 雄平知事の判断は、人としてありえない。

〇井戸川克隆候補:
 まったく許されないことです。スピーディーを隠し、被ばくをさけられなかったことを県として検証し、県民に謝罪し、二度とおこらないようにします。

〇内堀雅雄候補:
 SPEEDIの情報について適切に公表できなかったのは、当時非常に混乱した状況の中にあったとはいえ、広域自治体である県として、やるべきことをやり尽くせなかったという点でも大きな反省点。震災、原発、避難関連情報は、県民の安全・安心の大前提となる必要不可欠な情報であることから、適切かつ迅速に公開していく。

〇金子芳尚候補:
 全く評価しない。県民の生命を守っていない。リーダーシップがない。

〇熊坂義裕候補:
 スピーディの情報を入手した時点で直ちに公表されていたならば、多くの県民がむざむざと大量に被爆することはありませんでした。浪江町長さんが県に対して「これは殺人罪ではないか」と強く抗議したのは当然のことと思います。
 県民の生命の危機にも関わる、とてつもなく重要で緊急性のある情報を、担当部長の独断で知事、副知事に対して報告もせず消去するなどということは到底あり得ないことです。それにもかかわらず、佐藤雄平知事及び内堀雅雄副知事(当時)は「報告は受けていない」と議会の場で何回も平気で白を切り、謝罪の言葉は一言も発しませんでした。その不誠実さには大変驚き呆れるばかりです。
 佐藤雄平知事及び内堀雅雄副知事(当時)には、「何があっても県民の生命を守り抜くのだ」という使命感と県民に寄り添うという謙虚さや誠実さに元々欠けていると思わざるを得ません。
 県民の生命の危機に関わる情報は、仮にそれが結果的に空振りであったとしても、パニックの招来をおそれずに直ちに公表し、県民の安全を少しでも確保するという選択をすべきであったと考えます。


9. 「生業(なりわい)訴訟」を支援したいとお考えですか?
  また、裁判を傍聴したいとお考えになりますか?     
  
  
〇五十嵐義隆候補:
 一度は裁判の傍聴をしてみたいです。そして、どうお手伝いできるかしっかりと考えたいです。どのようなかたちであれ、同じ福島の同郷のためにはみなさんの生活が再建されて行くために可能な限り多面的に支援ができればと思います。

〇伊関明子候補:
 はい。

〇井戸川克隆候補:
 原告、ご家族のみなさんにご苦労かけてすまない気持ちでいっぱいです。
 傍聴含めできる限りの協力、支援をおしみません。

〇内堀雅雄候補:
 原賠審が示す賠償指針は必要最低限のものであり、個々人の事情に配慮しながら、十分・迅速・確実な賠償がなされるよう取り組んでいく。

〇金子芳尚候補:
 理解するまで検討させて下さい。共感はしております。

〇熊坂義裕候補:
 私は今回の選挙に際し「よみがえれ福島」を大きな目標にして運動を展開しています。原告団の皆様が求めている「原状の回復(もとの地域に戻せ)」との主張とは相通ずるものが少なからずあるように思います。
 行政として個々の訴訟に関わることは困難かも知れませんが、個人的な心情としては支援させていただきたい気持ちです。どうぞご理解ください。



※以上、転載おわり


『あなたの福島原発訴訟』なりわい訴訟の本が出版される

2014.05.23 13:39|なりわい弁護団より
本体価格1600円+税
かもがわ出版(2014年6月中旬刊行予定)


タイトル:

あ な た の 福 島 原 発 訴 訟 』


裁判のことを知ってください 

被害者は原告になりましょう

誰でも仲間になれます



〈も く じ〉

第一章 「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟とは

第二章 裁判の現状と私たちの主張

第三章 原告団からのメッセージ

よびかけ 原告・支援者になってください


★かもがわ出版の注文ページ★
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/a/0706.html


★お近くの書店あての注文書 ★


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生業弁護団事務局長マナギ弁護士の講演

2013.12.16 11:21|なりわい弁護団より
■「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟が目指すもの(講演記録)

福島との出会い

 みなさん、こんにちは。私は、出身は福岡県で、東京で弁護士をしていて、これまで福島には縁のない生活を送ってきたのですが、今回の原発事故後は多いと週の半分くらい福島にいます。まず、なぜこの裁判にかかわっているのかをお話したいのですが、今回の事故が起きたとき、福島県には弁護士が150人弱、約200万人の県民に対してそれくらいしかいない状況だったのです。事故が起きたとき、これは福島の弁護士だけでは到底対応できないと感じました。

 あの事故からもうすぐ3年が経ちますが、あれだけの被害を出せば、普通の感覚の人であれば、「原発はやめましょう」となるはずです。しかし、そうはなっていません。被害に対する賠償ひとつとってみても、進んでいるのかというとそんなことはない、むしろ切り捨てられている。それが実態です。そうしたなかで、ではこのまま泣き寝入りするのか、なかったことにしていいのか。多くの人がそんなことはあってはならないと思っています。

 忘れもしませんが、私は、2011年5月に、二本松に入り初めて相談会に参加しました。そこは原発に近いところにいた民商の会員さんたちが多数避難していました。相談会場は溢れるほどの人で、熱気がすごく、しかも殺気立っているというか、大変切迫した印象でした。「このさき、生業がどうなるのか分からない」との不安の声が殺到しました。なぜ私が福島にかかわり続けているのか、一言でいえば、“被害を知ってしまったから”であり、“被害者の方に会ってしまったから”です。いまは弁護団の事務局長として取り組んでいますが、私には、あまり決意とか崇高な想いといったことは必要ありませんでした。被害者の方の話を聞いて、「こんな不条理はあってはならない」「こんなことが許されてならない」と思うのに、時間も覚悟も要りませんでした。そうして、私はこの2年半で、150回以上福島に出かけることになりました。


被害の実態と国や東電の姿勢

 いま喫緊の課題として、被害者をどう救済していくのかが問われています。国や東電の姿勢は、一言でいうと、“無責任体制”だと、私たちは思っています。まったく何も責任をとっていない。原発事故は収束したのか、全然収束していません。原因は解明されたのか、まったく解明されていません。被害が終わったのか、何も終わっていません。放射線の量は減ったのか、そんなこともありません。なんら変わっていない、むしろ拡大してきている。安倍首相は、オリンピック招致の際、「完全にコントロールされている」と言いましたが、その翌日には汚染水が出ているとニュースが報道する、そんな始末です。汚染水は当初から懸念され、懸念どおりの現実になっている。賠償は進んでいるのか、進んでいるどころかむしろ切り捨てられている。それが実態なのです。

 そうした状況のなかで、被害者の方々の要求や想いをまとめていく必要がありますが、これ自体そんな簡単なことではありません。もともと福島は、地域が浜通り、中通り、会津と3つに分かれていて、気質が違うとよく言われていましたし、被害の表れ方も均質ではなく多様です。むしろ、国や東電の方が、過去の公害の歴史によく学んでいると思います。彼らが最初に手を付けたことは、被害を賠償の問題に矮小化し、地域で線引きし、被害者を分断させることでした。実際に彼らは何をやったか。客観的・合理的根拠がまったくないにもかかわらず、同心円で線引きをしました。20キロや30キロと。こうして彼らが一方的に線引きをして、この人たちは被害者である、あの人たちは被害者ではないという線引きを率先してやりました。そして、そうした報道が圧倒的に多いこともあって、被害者の人たちのなかには、この線引きに乗っかってしまった方、要するに加害者の作った土俵に取り込まれてしまっている方が多いというのが、1つの現状です。

 しかし、今回の事故を考えると、現実には被害は色々な表れ方をしています。海や土壌が汚染されたり、故郷が失われたり、子どもの健康被害への不安であったり、仕事がなくなったり、収入が減ったり、家族と離ればなれになったり、本当に色々な被害が出ています。国と東電が最初に行ったのは、こうした多様な被害をあるがまま受けとめるのではなく、完全にお金の問題に矮小化させることでした。「すべてカネの話でしょ」と集約していきました。そのうえで、誰が被害者かの選別をし、ある人にはお金を――それ自体十分な内容ではありませんが――払うけれど、ある人には払わないという形を作っていきました。

 日本での様々な公害事件を通じて、国や企業などが彼らなりに教訓を導き出したことの1つは、“被害を小さく見せる”、“被害者を分断する”、“被害者の声を抑えつける”ということでした。普通に考えれば分かることですが、たとえば交通事故の加害者が、誰が被害者かを決めるなんて話はありえないですよね。ところが現実にはそうしたことがされている。なぜ東電が「あなたは被害者、あなたは違う」と言えるのか。なんで国がそういうことをできるのか。そして何が被害に当たるとか当たらないとか、どうして加害者の側が決められるのか。このことに本当に異を唱えているメディアが一つでもあるのかというと残念ながらありません。このことに怒っている人が何人いるかというと、実はそんなに多くはないのが現状です。向こうが作った土俵に完全に取りこまれているということだと思います。


「生業訴訟」の提起まで

 では、私たちはここからどう脱却していくのか、それが、最初の私たちの仕事でした。“何が被害か”は、加害者が決める話ではないのです。被害を一番良く知っているのは被害者自身のはずです。そして、線引きによって喜ぶのは誰なのか、線引きされ被害者同士が分断されることによって誰に利益があるのか。極端な場合、同じ地域のなかで線引きがされ、通りを隔ててこちらの側にはお金を出します、あちらの側には出ませんとなると両者でいがみ合いが始まります。そうすると誰が一番喜ぶのか、そういった話を私たちは何度も被害者の方たちと話し合いました。それが最初のスタートでした。

 かなりしつこく、「向こうの作った土俵に乗っかってはいけない」と議論をしました。そして、「声をあげていかないといけない」と。なぜならば、国や東電の姿勢はもうはっきりしている、被害者の人たちをできるだけ少なくする、そして被害をできるだけ小さく見せる、賠償金はできるだけ低くする、多くの人に対し打ち切り、切り捨てをする、声があがらないところでは被害はないとうそぶく。そのとき泣き寝入りや黙ったままでいても、誰かが勝手にこの仕組みを変えてくれるなんてことはありえない、黙っていても誰もこの仕組みを変えてくれないとすれば、声をあげるのはみなさんたちしかあり得ない、“声をあげましょう!”ということで始まったのが、この「生業を返せ、地域を返せ!」という被害者の方々に共通する想いをスローガンに掲げた裁判です。


裁判の目的

 私たちの裁判は、目的がはっきりしています。3つのキーワードで表しています。1つが、“原状回復”です。交通事故で家族の方を失ったとき、残された家族が最初に思うのは「金を払え」ではないはずです。「家族を返せ」と思うはずです。現実にはそれができないので、「できないのなら、せめてお金を払え」となる、こういう順番のはずです。今回の裁判でもそうです。まず、「元に戻せ、原状回復しろ」ということです。ただ、注意をしていただきたいのは、私たちが言っている“原状回復”は、たとえば2011年3月10日に戻せ、ということではないということです。3月10日であれば、確かに事故は起きていません。しかし、事故の原因となった原発は存在しています。私たちは、これでは足りないと考えています。ですから、私たちの言う“原状回復”は、「放射能もない、原発もない地域を創ろう!」という意味でとらえられる必要があります。広い射程をもって“原状回復”という言葉を使っているのです。

 2つめは、被害の“全体救済”です。いま2000名の原告で裁判をしています。福島の歴史始まって以来の大規模訴訟となっています。福島での著名な裁判といえば、松川事件となりますが、これは刑事事件でしたし大規模なものではありませんでした。福島では、かつて民事で何千人もの人が裁判を起こしたということはありません。そうした地で私たちは大規模訴訟を起こすことになりました。被害者はもちろん、支援団体や弁護士も経験が十分にはありません。手探り状態から訴訟の準備を始めました。被害者の方々に原告となってもらうため、私たちは200回以上説明会を開きました。大きな会場もあれば、個人のお宅で5人位を前に話をすることもありました。そうしたことを通じて、信頼関係が生まれ、現在では2000名の原告団にまでなっています。

 ここで強調したいのは、この2000名の原告は、「自分たちだけを救済してくれ」と言っているわけではないということです。通常の裁判だと、貸した金を返せとか、家を明け渡せといった請求になり、訴えた人の請求が認められるか否かが問題となります。ところが、この2000名の原告たちは、そういう話はしていません。「自分たちだけを救ってくれ」という話を超えた主張をしています。この裁判を通じて何を求めているのか、それは個別救済ではなく、“全体救済”を求めているのです。

 具体的に言うと、「あらゆる被害者の被害を救済せよ」ということを求めています。これは判決をテコにして、全体救済のための制度化を要求しているということです。つまり、今回の事故について国に責任があるんだということを認めさせることによって、国には責任があり、被害を救済する義務がある、いわば償いをしなければいけない。では、どんな形で償いをさせるのか、それは様々な形で被害が出ているので、被害に見合った形で、被害に即した形でやるべきだ、生活再建の問題、健康被害の問題、除染の問題、賠償問題、いろんな問題があります。そうしたことに対するしっかりとした制度を作らせることを目的とした裁判ということです。したがって、この原告の方々たちは、いろんな事情から原告になれなかった人たちのためにも、自分たちは頑張ると決意された方たちなのです。

 福島県の歴史上最も大規模な裁判となりますが、200万県民に対して2000名ではまだまだ足りません。私たちは少なくとも1万人くらいの規模にならないといけないと考えています。それくらいの人たちが、国に対して責任を追及しているとならないと、いくら私たちが法廷のなかで理屈の話をしても、裁判所が原告を勝たせる判決にはならないと考えています。この裁判は理屈で勝つのも大事ですが、もっと大事なのは裁判所に、この原告たちを勝たせないといけないという気にさせることだと思っています。そのためには裁判官をちゃんと被害に向き合わせることと、それとあわせてこれだけの人が国や東電の責任追及をしているんだということを数でも示すことが大事だと考えています。単なる正義ではなく、「力のある正義」でなければならないのです。

 3つめが“脱原発”です。今回の事故を受けて、被害根絶を真面目に追求しようとすると、その原因となっている原発をどうするのかということに行き着かざるをえません。「このような被害者をもう生みださないでほしい」と原告の方に限らず、みなさん仰います。「私たちのような被害者は自分たちで最後にしてほしい」とも仰います。これは、もう原発による事故、そうした被害者を生み出さないでほしいということです。この言葉は、たとえば過去の公害の患者さんなどの言葉でもあります。そして、そのことは単なる偶然ではないのです。私たちは、今回の事故を“公害”だと位置づけています。海や土壌などの環境が汚染されているという意味でももちろん公害なのですが、私たちはその意味ではなく、「この構造はいつか見た構造ではないか」という意味をむしろ強調しています。水俣でも、イタイイタイ病でも、四日市でも同じような光景があったのではないかということです。

 国策として原発は進められ、安全神話がこれだけ振りまかれ、東電という巨大地域独占企業が経済活動として原発を運転してきたことにより引き起こされた事故であり被害、私たちはこうした構造をとらえて公害だと言っています。今まで何度か経験した構造と同じです。単純に環境が汚染されたという認識ではありません。この構造自体がまさに問題なのです。であるならば、どうそこから乗り越えていくのか。お金の問題だけでは問題は絶対に解決されません。先ほどの“原状回復”を考えないといけないし、もっと考えて「被害の根絶」まで突き付けていくと、原発をどうするのかということまで行くことになります。私たちが“脱原発”を言っているのは偶然ではないのです。

私たちが目指すもの

 私たちの裁判を3つのキーワードで表しましたが、トータルで言うとこうなります。「人の命や健康よりも経済的利益を優先させる社会のあり方は、もうやめにしませんか」ということです。命や健康と儲けを天秤にかけるような、そんな社会はもうやめましょうということです。考えてみれば、今までの公害の裁判は全部そういう話でした。水俣湾にどれだけ汚悪水を垂れ流そうが、その水銀によってどれだけ被害が出ようが構わないという企業の存在を許していいのか、それを規制しない国のあり方でいいのか。あるいは東京の街並みや川崎や四日市の大気をどれだけ汚そうが関係ないという話があっていいのか。戦後日本の公害問題はすべてそういう話でした。今回はそれが原発だということです。私たちはもうそうした社会のあり方をやめにしましょうということを求めているわけで、この裁判はそうした取り組みの一環として行われていることになります。

 こうした社会にしていくためにはどんなことが必要か、私たちはいま2つのことを意識しています。一つは「原発から自由になること」、要するに脱原発です。もう一つは「原発の存在を許容する地域支配の構造から自由になることです。先ほど、私たちのいう“原状回復”は、「放射能もない、原発ない地域を創ろう!」というメッセージだとお話しましたが、「地域を創ろう!」には意志が込められています。原発立地地域とは、金と権力で民意が歪められたり、地域がコントロールされているところが多かった。そうした地域支配の構造から脱却すること、地域のことを地域の人たちが自分たちで決める、そこに住んでいる人たちが主役であり、主人公として積極的に関与していく、という決意が込められています。ある種の主権者意識の確立です。これがあって初めて元に戻れる、そうでないとまたやられてしまう、そうした認識に基づいています。

 このようにみてくると、確かに裁判それ自体は福島の裁判所で行われていますが、そこで問われている中身は決して福島やその周辺地域限定といったローカルな話ではありません。福島でやっていますが、テーマは全国民的な課題だと考えています。


最新の動きについて

 少し最新の情勢との関連でもお話をしたいと思います。いま問題となっている「特定秘密保護法案」が衆議院で強行可決された前日、福島市で公聴会が行われ、私たち弁護団の副団長が公述人として参加し、外では原告団が大挙して抗議活動を行っていました。なんで福島の人がこの問題に怒っているのか、経過をみれば当たり前のことです。原発事故直後、国からは情報が出されない。スピーディーの情報も隠されていた。東電は、裁判所が事故前に行っていた津波などの試算データを提出するようにとの決定をしたにもかかわらず、「必要性がないので応じかねます」としてデータを出さないと言う。裁判所は、東電の主張を十分に聞いたうえで必要性があるとして提出するよう求めたのに、東電は同じ主張を繰り返し、蒸し返しの議論で拒否してきたのです。
 こうした対応は、裁判所との約束を反故にするものですし、裁判に誠実に向き合っているとは到底言えません。また、そこまでして出さないということは、そんなに出せない資料なのか、そこまで隠さないといけないものなのかという疑念も抱かせます。

しかし、それにしても、一体、事故にかかわる情報は誰のものなのか、これこそが問われるべきです。東電はあっさり「出さない」と言ってきました。この対応は絶対に許されてはならないことです。いまの「特定秘密保護法案」の議論にも一石を投じる話であり、私たちとしてもこれから社会に大いに提起していきたいと考えています。事故を引き起こした当事者が事故の原因の解明、事故の責任の解明につながりうる情報を、事故処理に莫大な税金が投入され普通の会社ではもはやないにもかかわらず、「出さない」なとどなぜ言えるのか、そうした主張は全く通用しないということを、社会的な批判が高まることで彼らにわからせる必要があります。


今後の動向について

 来年以降についてですが、私たちは全体救済せよ、制度化せよと求めていますので、最後はどうしても政治的な解決ということにならざるをえませんし、そうした観点からは首都圏、とくにこの東京でどう取り組みを作っていくのかは大きな課題の1つとなります。そして、大きな動きとするためにも、福島現地でどれだけ原告の数が増えるのかはやはりポイントとなるはずです。

また、私たちの裁判は、大きく言えば被害救済を求めるという意味で被害救済型の裁判ですが、いま各地では原発の稼働を止めさせる差止訴訟も行われていて、私たちとしては被害救済型の裁判と差止型の裁判が、どちらも国を被告として、いわば車の両輪となって国を追い込んでいくことをイメージしています。被害救済型の裁判も、続々と各地で提訴されていますが、原告の数はまだまだ少ないです。全国で原告となっている方は約4000名ですが、そのうち半分の2000名が私たちの原告団です。他の裁判は多くが数十人規模の原告です。そして、これらの裁判の原告の方は、避難者の方々です。ところが、被害者は避難者だけではなく、いまも現地にいる方々もそうです。そして実際には、いまも現地にいる方たちのほうが圧倒的に多くて、割合でいえば避難者の方は3%で、97%は現地にとどまっているということになります。

ここで考えないといけないのは、避難している方たちの裁判が勝つためには避難したことが合理的、正当だと認めさせることが必要だということです。そして、避難せざるをえない、避難が合理的だという判断をするためには、現地がいまも危ない、現地がいわば違法な状態に置かれているという評価が不可欠です。論理的に考えて、現地の評価が避難の合理性判断に先行するはずです。

 その評価をめぐって、まさに現地で裁判をしているのが私たちの裁判となります。ですから、私たちの裁判が全国の裁判の帰趨を決するといっても過言ではないだろうと私たちは考えていますし、またそうであるからこそ私たちとしては必死で取り組んでいるところです。私たちの裁判は、避難している方も現地にいる方も、どちらの被害者の方にも入っていただいています。避難者と滞在者が1つの原告団を構成しています。そうした裁判は私たちの裁判しかありません。なぜ私たちは避難者と滞在者とを1つの原告団にしているのかといえば、冒頭にもお話ししたように、被害者の分断を乗り越える必要があるからです。そして、避難者だけ、あるいは滞在者だけでは、被害を全面的に明らかにできないと考えているからです。いまも現地にいる方、避難している方、両方の被害者の被害を私たちはコインの裏表の関係だと考えています。であるなら、こうした被害者はまとまって一体となって闘わなければならない、私たちはそのように考えています。

 来年2月には第三次の提訴を2000名規模で行うことを予定しています。できるだけ早いうちに倍増させる、目標は1万人ですが、さしあたって来年2月には現状の倍の4000名にしたいと思っています。また、法廷のなかでは、来年には国と東電から本格的な反論が出され、私たちがそれに再反論していくという論戦が始まります。ぜひ注目してほしいと思います。東電は長時間にわたる全交流電源喪失を予見していたのに何らの対策をとらなかった、国は規制すべき権限を持っていたにもかかわらず適時適切に権限を行使して規制することを怠った、私たちはそう主張していますが、そうした論点が山場を迎えます。

 この裁判には、若い人も多く参加していただいているのですが、実はかなりの年配の方も参加されています。若い方のなかには、事故を受けて、ある種の生き方、価値観が問われていると感じている方が多いです。ある人は、「戦争は知らないが、終戦のとき、これからの日本がどうあるべきなのかを考えた人たちがいるでしょう、私は福島原発事故を受けた今日、1人の日本人として日本がどうあるべきかを考えています。そのときこの裁判の原告となることが自分の生き方だ、声を上げていかないといけないし、変えていかないといけないと考えた」と話されました。90歳を超えたお年寄りの方は、「正直、自分のことはもうどうでもいい。健康被害も90を過ぎているしね。しかし、東京にいる孫がときどき私のところに遊びに来てくれて、孫と一緒に山に山菜とりに行くのがささやかな楽しみだったが、今は孫もこないし山菜もとれない。2つの楽しみ、生き甲斐を失ってしまった。失ったものはささやかなものかもしれないが、長年この地域に生きて生きた人間として、なにかしら自分にできることはないかと、孫や地域のために何ができるかと考えた時に、この裁判の原告になることを決意した」と仰っていました。

 私たちの裁判はまさにこういう裁判だと思います。いろんな方たちの想いや被害を一つに束ねていく裁判だと思っています。これから、多くの方々から引き続きご支援をいただきながら、国と東電に責任を認めさせ、最終的には原発をやめさせるところまで持っていきたいと考えています。裁判は2月に1回のペースで行われていますし、原告団では現地調査なども行い、原告自ら「語り部」として活動しています。みなさまには、みなさんの地元に避難されている方々への支援とあわせて、ぜひ現地にも足を運んでいただけたらと思います。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

2013年11月30日

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団事務局長
弁護士 馬奈木厳太郎


  原告団・弁護団のホームページ: http://www.nariwaisoshou.jp/
  弁護団のフェイスブック   : https://www.facebook.com/nariwaikaese

東電・電事連への指示を求め資源エネルギー庁へ申入書提出

2013.12.02 21:58|なりわい弁護団より
■2013年12月2日付けで生業原告団と弁護団より、東電及び電事連に対して、津波試算に関する資料の隠蔽の姿勢を根本的に改め、全ての文書を開示するよう速やかに指示することを資源エネルギー庁に求めました。以下、本日行われた記者会見で配布された申入書の内容を転載します。


申 入 書

2013(平成25)年12月2日

〒100-8931
東京都千代田区霞が関1丁目3番地1号
経済産業省 資源エネルギー庁 御中

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団   
「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団 

第1、申入れ事項

貴庁から東京電力及び電気事業連合会に対し、すみやかに下記とおり指示するよう求める。



(1)「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(福島地方裁判所平成25年(ワ)38号等)において、原告らが東京電力株式会社(以下、「東電」という)及び電気事業連合会(以下、「電事連」という)に求めている、津波に関するシミュレーション結果及び福島原発の津波安全評価に関する全ての文書につき、開示すること。

(2)特に、以下の文書について速やかに開示すること。
 

 ① 明治三陸沖地震に基づく2008年試算
東電が2008(平成20)年5月下旬から6月上旬に実施した、地震調査研究推進本部「長期評価」(2002(平成14)年7月31日)を参考に1896年明治三陸沖地震(M8.3と設定)の波源モデルを福島県沖の海溝沿いにあてはめた場合の津波水位の試算に関連する資料一切。
 
 ② 1677年房総沖津波地震に基づく試算
東電が上記①の試算と同時期ないしそれより以後に実施した、1677年房総沖津波地震の波源モデルによる津波水位の試算に関連する資料一切。

 ③ 2008年「佐竹論文」に基づく試算
東電が、貞観津波についてのいわゆる「佐竹論文」(2008(平成20)年10月に東電がその原稿を入手した)で示された波源モデルを基に、福島第一原発及び福島第二原発における波高を試算して作成した文書一切。

 ④ 電事連が2000年当時最新の手法で津波想定を計算し原発への影響を調べたことに関する資料一切(電事連部会への報告資料のほか、この津波想定と調査に関し言及した議事録をも含む)


第2、申入れの趣旨

1、東電及び電事連による文書提出拒否
  「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(以下「本件訴訟」という)は、約2000名の原告が、東電及び国を被告として、福島第一原発事故による被害の原状回復と損害賠償を求め提起している訴訟である。

  同訴訟において、原告らは東電及び国の過失責任を問うており、全交流電源喪失を生じる津波についての東電及び国の予見可能性が重要な争点となっている。

本件訴訟の第3回口頭弁論期日(本年11月12日)において、福島地裁は、原告らが東電及び電事連に求めていた津波に関するシミュレーション結果及び福島原発の津波安全評価に関する文書の開示につき、文書送付嘱託を採用する旨決定し、東電に対し本年11月30日までに当該文書を提出することを指示した。

しかるに、東電及び電事連はいずれも文書の提出を拒否している。

2、重大な過去の事実の隠ぺいを許してはならない
上述した文書はいずれも、今回の原発事故に関する政府事故調報告書・国会事故調報告書等でその存在が明らかなものである。特に、上述の文書①ないし④の試算内容は、原子力建屋等の設置された敷地の高さを超える津波を、東電あるいは電事連が試算により想定していたことの証左となる可能性の高いものである。福島地裁による文書送付嘱託申立の採用については、既に広く報道がなされ、原告らのみならず多くの国民の重大な関心事ともなっている。

裁判所の決定を敢えて無視しこれらの文書の提出を拒否したことは、裁判における争点の解明を妨害し、自らに都合の悪い情報を国民の前に明らかにせずひたすら隠蔽して憚らない、東電及び電事連の体質を如実に示すものである。

福島原発事故以前、東電がたびたび原発での事故を隠してきたことは広く知られている。事故後、東電はこうした企業体質の改善に努めることを表明しているが、今回の文書提出拒否により、このような国民への約束が口先だけのものに過ぎないことが明らかになった。

  将来において同様の原発事故と悲惨な被害を二度と招かぬためにも、原発事故に関する過去の重大な事実(津波の試算と想定)についての、東電や電事連の隠蔽を決して許してはならない。


3、以上の理由から、原子力立地・政策を所掌事務として遂行する貴庁において、東電及び電事連に対して、津波試算に関する資料の隠蔽の姿勢を根本的に改め、全ての文書を開示するよう速やかに指示することを求めるものである。

以 上


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Author:BQN
東日本大震災の時に首都圏在住在勤。キヨシローの反原発ソングしか知らなかった自分を反省し、当時小3になったばかりの子供を放射能からどう守ったらよいか真剣に学ぶ。1年後、沖縄に移住。2012年12月、沖縄にいる原発避難者のための東電による説明会が行われたが、その開催に尽力したのが避難者支援の市民団体『つなごう命〜沖縄と被災地をむすぶ会〜』だった。共同代表の沖本八重美さん(2013.1.26永眠)は広島原爆の胎内被爆者ゆえ、新たな被ばくの犠牲者に対し深い共感をもって支援した。深刻かつ長期にわたる被害に対し “法廷で東電と国の責任を問う” ことが八重美さんの悲願だった。私も同じ気持ちでこの訴訟の支援を続けて行きたいと思っている。

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