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生業弁護団事務局長マナギ弁護士の講演

2013.12.16 11:21|なりわい弁護団より
■「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟が目指すもの(講演記録)

福島との出会い

 みなさん、こんにちは。私は、出身は福岡県で、東京で弁護士をしていて、これまで福島には縁のない生活を送ってきたのですが、今回の原発事故後は多いと週の半分くらい福島にいます。まず、なぜこの裁判にかかわっているのかをお話したいのですが、今回の事故が起きたとき、福島県には弁護士が150人弱、約200万人の県民に対してそれくらいしかいない状況だったのです。事故が起きたとき、これは福島の弁護士だけでは到底対応できないと感じました。

 あの事故からもうすぐ3年が経ちますが、あれだけの被害を出せば、普通の感覚の人であれば、「原発はやめましょう」となるはずです。しかし、そうはなっていません。被害に対する賠償ひとつとってみても、進んでいるのかというとそんなことはない、むしろ切り捨てられている。それが実態です。そうしたなかで、ではこのまま泣き寝入りするのか、なかったことにしていいのか。多くの人がそんなことはあってはならないと思っています。

 忘れもしませんが、私は、2011年5月に、二本松に入り初めて相談会に参加しました。そこは原発に近いところにいた民商の会員さんたちが多数避難していました。相談会場は溢れるほどの人で、熱気がすごく、しかも殺気立っているというか、大変切迫した印象でした。「このさき、生業がどうなるのか分からない」との不安の声が殺到しました。なぜ私が福島にかかわり続けているのか、一言でいえば、“被害を知ってしまったから”であり、“被害者の方に会ってしまったから”です。いまは弁護団の事務局長として取り組んでいますが、私には、あまり決意とか崇高な想いといったことは必要ありませんでした。被害者の方の話を聞いて、「こんな不条理はあってはならない」「こんなことが許されてならない」と思うのに、時間も覚悟も要りませんでした。そうして、私はこの2年半で、150回以上福島に出かけることになりました。


被害の実態と国や東電の姿勢

 いま喫緊の課題として、被害者をどう救済していくのかが問われています。国や東電の姿勢は、一言でいうと、“無責任体制”だと、私たちは思っています。まったく何も責任をとっていない。原発事故は収束したのか、全然収束していません。原因は解明されたのか、まったく解明されていません。被害が終わったのか、何も終わっていません。放射線の量は減ったのか、そんなこともありません。なんら変わっていない、むしろ拡大してきている。安倍首相は、オリンピック招致の際、「完全にコントロールされている」と言いましたが、その翌日には汚染水が出ているとニュースが報道する、そんな始末です。汚染水は当初から懸念され、懸念どおりの現実になっている。賠償は進んでいるのか、進んでいるどころかむしろ切り捨てられている。それが実態なのです。

 そうした状況のなかで、被害者の方々の要求や想いをまとめていく必要がありますが、これ自体そんな簡単なことではありません。もともと福島は、地域が浜通り、中通り、会津と3つに分かれていて、気質が違うとよく言われていましたし、被害の表れ方も均質ではなく多様です。むしろ、国や東電の方が、過去の公害の歴史によく学んでいると思います。彼らが最初に手を付けたことは、被害を賠償の問題に矮小化し、地域で線引きし、被害者を分断させることでした。実際に彼らは何をやったか。客観的・合理的根拠がまったくないにもかかわらず、同心円で線引きをしました。20キロや30キロと。こうして彼らが一方的に線引きをして、この人たちは被害者である、あの人たちは被害者ではないという線引きを率先してやりました。そして、そうした報道が圧倒的に多いこともあって、被害者の人たちのなかには、この線引きに乗っかってしまった方、要するに加害者の作った土俵に取り込まれてしまっている方が多いというのが、1つの現状です。

 しかし、今回の事故を考えると、現実には被害は色々な表れ方をしています。海や土壌が汚染されたり、故郷が失われたり、子どもの健康被害への不安であったり、仕事がなくなったり、収入が減ったり、家族と離ればなれになったり、本当に色々な被害が出ています。国と東電が最初に行ったのは、こうした多様な被害をあるがまま受けとめるのではなく、完全にお金の問題に矮小化させることでした。「すべてカネの話でしょ」と集約していきました。そのうえで、誰が被害者かの選別をし、ある人にはお金を――それ自体十分な内容ではありませんが――払うけれど、ある人には払わないという形を作っていきました。

 日本での様々な公害事件を通じて、国や企業などが彼らなりに教訓を導き出したことの1つは、“被害を小さく見せる”、“被害者を分断する”、“被害者の声を抑えつける”ということでした。普通に考えれば分かることですが、たとえば交通事故の加害者が、誰が被害者かを決めるなんて話はありえないですよね。ところが現実にはそうしたことがされている。なぜ東電が「あなたは被害者、あなたは違う」と言えるのか。なんで国がそういうことをできるのか。そして何が被害に当たるとか当たらないとか、どうして加害者の側が決められるのか。このことに本当に異を唱えているメディアが一つでもあるのかというと残念ながらありません。このことに怒っている人が何人いるかというと、実はそんなに多くはないのが現状です。向こうが作った土俵に完全に取りこまれているということだと思います。


「生業訴訟」の提起まで

 では、私たちはここからどう脱却していくのか、それが、最初の私たちの仕事でした。“何が被害か”は、加害者が決める話ではないのです。被害を一番良く知っているのは被害者自身のはずです。そして、線引きによって喜ぶのは誰なのか、線引きされ被害者同士が分断されることによって誰に利益があるのか。極端な場合、同じ地域のなかで線引きがされ、通りを隔ててこちらの側にはお金を出します、あちらの側には出ませんとなると両者でいがみ合いが始まります。そうすると誰が一番喜ぶのか、そういった話を私たちは何度も被害者の方たちと話し合いました。それが最初のスタートでした。

 かなりしつこく、「向こうの作った土俵に乗っかってはいけない」と議論をしました。そして、「声をあげていかないといけない」と。なぜならば、国や東電の姿勢はもうはっきりしている、被害者の人たちをできるだけ少なくする、そして被害をできるだけ小さく見せる、賠償金はできるだけ低くする、多くの人に対し打ち切り、切り捨てをする、声があがらないところでは被害はないとうそぶく。そのとき泣き寝入りや黙ったままでいても、誰かが勝手にこの仕組みを変えてくれるなんてことはありえない、黙っていても誰もこの仕組みを変えてくれないとすれば、声をあげるのはみなさんたちしかあり得ない、“声をあげましょう!”ということで始まったのが、この「生業を返せ、地域を返せ!」という被害者の方々に共通する想いをスローガンに掲げた裁判です。


裁判の目的

 私たちの裁判は、目的がはっきりしています。3つのキーワードで表しています。1つが、“原状回復”です。交通事故で家族の方を失ったとき、残された家族が最初に思うのは「金を払え」ではないはずです。「家族を返せ」と思うはずです。現実にはそれができないので、「できないのなら、せめてお金を払え」となる、こういう順番のはずです。今回の裁判でもそうです。まず、「元に戻せ、原状回復しろ」ということです。ただ、注意をしていただきたいのは、私たちが言っている“原状回復”は、たとえば2011年3月10日に戻せ、ということではないということです。3月10日であれば、確かに事故は起きていません。しかし、事故の原因となった原発は存在しています。私たちは、これでは足りないと考えています。ですから、私たちの言う“原状回復”は、「放射能もない、原発もない地域を創ろう!」という意味でとらえられる必要があります。広い射程をもって“原状回復”という言葉を使っているのです。

 2つめは、被害の“全体救済”です。いま2000名の原告で裁判をしています。福島の歴史始まって以来の大規模訴訟となっています。福島での著名な裁判といえば、松川事件となりますが、これは刑事事件でしたし大規模なものではありませんでした。福島では、かつて民事で何千人もの人が裁判を起こしたということはありません。そうした地で私たちは大規模訴訟を起こすことになりました。被害者はもちろん、支援団体や弁護士も経験が十分にはありません。手探り状態から訴訟の準備を始めました。被害者の方々に原告となってもらうため、私たちは200回以上説明会を開きました。大きな会場もあれば、個人のお宅で5人位を前に話をすることもありました。そうしたことを通じて、信頼関係が生まれ、現在では2000名の原告団にまでなっています。

 ここで強調したいのは、この2000名の原告は、「自分たちだけを救済してくれ」と言っているわけではないということです。通常の裁判だと、貸した金を返せとか、家を明け渡せといった請求になり、訴えた人の請求が認められるか否かが問題となります。ところが、この2000名の原告たちは、そういう話はしていません。「自分たちだけを救ってくれ」という話を超えた主張をしています。この裁判を通じて何を求めているのか、それは個別救済ではなく、“全体救済”を求めているのです。

 具体的に言うと、「あらゆる被害者の被害を救済せよ」ということを求めています。これは判決をテコにして、全体救済のための制度化を要求しているということです。つまり、今回の事故について国に責任があるんだということを認めさせることによって、国には責任があり、被害を救済する義務がある、いわば償いをしなければいけない。では、どんな形で償いをさせるのか、それは様々な形で被害が出ているので、被害に見合った形で、被害に即した形でやるべきだ、生活再建の問題、健康被害の問題、除染の問題、賠償問題、いろんな問題があります。そうしたことに対するしっかりとした制度を作らせることを目的とした裁判ということです。したがって、この原告の方々たちは、いろんな事情から原告になれなかった人たちのためにも、自分たちは頑張ると決意された方たちなのです。

 福島県の歴史上最も大規模な裁判となりますが、200万県民に対して2000名ではまだまだ足りません。私たちは少なくとも1万人くらいの規模にならないといけないと考えています。それくらいの人たちが、国に対して責任を追及しているとならないと、いくら私たちが法廷のなかで理屈の話をしても、裁判所が原告を勝たせる判決にはならないと考えています。この裁判は理屈で勝つのも大事ですが、もっと大事なのは裁判所に、この原告たちを勝たせないといけないという気にさせることだと思っています。そのためには裁判官をちゃんと被害に向き合わせることと、それとあわせてこれだけの人が国や東電の責任追及をしているんだということを数でも示すことが大事だと考えています。単なる正義ではなく、「力のある正義」でなければならないのです。

 3つめが“脱原発”です。今回の事故を受けて、被害根絶を真面目に追求しようとすると、その原因となっている原発をどうするのかということに行き着かざるをえません。「このような被害者をもう生みださないでほしい」と原告の方に限らず、みなさん仰います。「私たちのような被害者は自分たちで最後にしてほしい」とも仰います。これは、もう原発による事故、そうした被害者を生み出さないでほしいということです。この言葉は、たとえば過去の公害の患者さんなどの言葉でもあります。そして、そのことは単なる偶然ではないのです。私たちは、今回の事故を“公害”だと位置づけています。海や土壌などの環境が汚染されているという意味でももちろん公害なのですが、私たちはその意味ではなく、「この構造はいつか見た構造ではないか」という意味をむしろ強調しています。水俣でも、イタイイタイ病でも、四日市でも同じような光景があったのではないかということです。

 国策として原発は進められ、安全神話がこれだけ振りまかれ、東電という巨大地域独占企業が経済活動として原発を運転してきたことにより引き起こされた事故であり被害、私たちはこうした構造をとらえて公害だと言っています。今まで何度か経験した構造と同じです。単純に環境が汚染されたという認識ではありません。この構造自体がまさに問題なのです。であるならば、どうそこから乗り越えていくのか。お金の問題だけでは問題は絶対に解決されません。先ほどの“原状回復”を考えないといけないし、もっと考えて「被害の根絶」まで突き付けていくと、原発をどうするのかということまで行くことになります。私たちが“脱原発”を言っているのは偶然ではないのです。

私たちが目指すもの

 私たちの裁判を3つのキーワードで表しましたが、トータルで言うとこうなります。「人の命や健康よりも経済的利益を優先させる社会のあり方は、もうやめにしませんか」ということです。命や健康と儲けを天秤にかけるような、そんな社会はもうやめましょうということです。考えてみれば、今までの公害の裁判は全部そういう話でした。水俣湾にどれだけ汚悪水を垂れ流そうが、その水銀によってどれだけ被害が出ようが構わないという企業の存在を許していいのか、それを規制しない国のあり方でいいのか。あるいは東京の街並みや川崎や四日市の大気をどれだけ汚そうが関係ないという話があっていいのか。戦後日本の公害問題はすべてそういう話でした。今回はそれが原発だということです。私たちはもうそうした社会のあり方をやめにしましょうということを求めているわけで、この裁判はそうした取り組みの一環として行われていることになります。

 こうした社会にしていくためにはどんなことが必要か、私たちはいま2つのことを意識しています。一つは「原発から自由になること」、要するに脱原発です。もう一つは「原発の存在を許容する地域支配の構造から自由になることです。先ほど、私たちのいう“原状回復”は、「放射能もない、原発ない地域を創ろう!」というメッセージだとお話しましたが、「地域を創ろう!」には意志が込められています。原発立地地域とは、金と権力で民意が歪められたり、地域がコントロールされているところが多かった。そうした地域支配の構造から脱却すること、地域のことを地域の人たちが自分たちで決める、そこに住んでいる人たちが主役であり、主人公として積極的に関与していく、という決意が込められています。ある種の主権者意識の確立です。これがあって初めて元に戻れる、そうでないとまたやられてしまう、そうした認識に基づいています。

 このようにみてくると、確かに裁判それ自体は福島の裁判所で行われていますが、そこで問われている中身は決して福島やその周辺地域限定といったローカルな話ではありません。福島でやっていますが、テーマは全国民的な課題だと考えています。


最新の動きについて

 少し最新の情勢との関連でもお話をしたいと思います。いま問題となっている「特定秘密保護法案」が衆議院で強行可決された前日、福島市で公聴会が行われ、私たち弁護団の副団長が公述人として参加し、外では原告団が大挙して抗議活動を行っていました。なんで福島の人がこの問題に怒っているのか、経過をみれば当たり前のことです。原発事故直後、国からは情報が出されない。スピーディーの情報も隠されていた。東電は、裁判所が事故前に行っていた津波などの試算データを提出するようにとの決定をしたにもかかわらず、「必要性がないので応じかねます」としてデータを出さないと言う。裁判所は、東電の主張を十分に聞いたうえで必要性があるとして提出するよう求めたのに、東電は同じ主張を繰り返し、蒸し返しの議論で拒否してきたのです。
 こうした対応は、裁判所との約束を反故にするものですし、裁判に誠実に向き合っているとは到底言えません。また、そこまでして出さないということは、そんなに出せない資料なのか、そこまで隠さないといけないものなのかという疑念も抱かせます。

しかし、それにしても、一体、事故にかかわる情報は誰のものなのか、これこそが問われるべきです。東電はあっさり「出さない」と言ってきました。この対応は絶対に許されてはならないことです。いまの「特定秘密保護法案」の議論にも一石を投じる話であり、私たちとしてもこれから社会に大いに提起していきたいと考えています。事故を引き起こした当事者が事故の原因の解明、事故の責任の解明につながりうる情報を、事故処理に莫大な税金が投入され普通の会社ではもはやないにもかかわらず、「出さない」なとどなぜ言えるのか、そうした主張は全く通用しないということを、社会的な批判が高まることで彼らにわからせる必要があります。


今後の動向について

 来年以降についてですが、私たちは全体救済せよ、制度化せよと求めていますので、最後はどうしても政治的な解決ということにならざるをえませんし、そうした観点からは首都圏、とくにこの東京でどう取り組みを作っていくのかは大きな課題の1つとなります。そして、大きな動きとするためにも、福島現地でどれだけ原告の数が増えるのかはやはりポイントとなるはずです。

また、私たちの裁判は、大きく言えば被害救済を求めるという意味で被害救済型の裁判ですが、いま各地では原発の稼働を止めさせる差止訴訟も行われていて、私たちとしては被害救済型の裁判と差止型の裁判が、どちらも国を被告として、いわば車の両輪となって国を追い込んでいくことをイメージしています。被害救済型の裁判も、続々と各地で提訴されていますが、原告の数はまだまだ少ないです。全国で原告となっている方は約4000名ですが、そのうち半分の2000名が私たちの原告団です。他の裁判は多くが数十人規模の原告です。そして、これらの裁判の原告の方は、避難者の方々です。ところが、被害者は避難者だけではなく、いまも現地にいる方々もそうです。そして実際には、いまも現地にいる方たちのほうが圧倒的に多くて、割合でいえば避難者の方は3%で、97%は現地にとどまっているということになります。

ここで考えないといけないのは、避難している方たちの裁判が勝つためには避難したことが合理的、正当だと認めさせることが必要だということです。そして、避難せざるをえない、避難が合理的だという判断をするためには、現地がいまも危ない、現地がいわば違法な状態に置かれているという評価が不可欠です。論理的に考えて、現地の評価が避難の合理性判断に先行するはずです。

 その評価をめぐって、まさに現地で裁判をしているのが私たちの裁判となります。ですから、私たちの裁判が全国の裁判の帰趨を決するといっても過言ではないだろうと私たちは考えていますし、またそうであるからこそ私たちとしては必死で取り組んでいるところです。私たちの裁判は、避難している方も現地にいる方も、どちらの被害者の方にも入っていただいています。避難者と滞在者が1つの原告団を構成しています。そうした裁判は私たちの裁判しかありません。なぜ私たちは避難者と滞在者とを1つの原告団にしているのかといえば、冒頭にもお話ししたように、被害者の分断を乗り越える必要があるからです。そして、避難者だけ、あるいは滞在者だけでは、被害を全面的に明らかにできないと考えているからです。いまも現地にいる方、避難している方、両方の被害者の被害を私たちはコインの裏表の関係だと考えています。であるなら、こうした被害者はまとまって一体となって闘わなければならない、私たちはそのように考えています。

 来年2月には第三次の提訴を2000名規模で行うことを予定しています。できるだけ早いうちに倍増させる、目標は1万人ですが、さしあたって来年2月には現状の倍の4000名にしたいと思っています。また、法廷のなかでは、来年には国と東電から本格的な反論が出され、私たちがそれに再反論していくという論戦が始まります。ぜひ注目してほしいと思います。東電は長時間にわたる全交流電源喪失を予見していたのに何らの対策をとらなかった、国は規制すべき権限を持っていたにもかかわらず適時適切に権限を行使して規制することを怠った、私たちはそう主張していますが、そうした論点が山場を迎えます。

 この裁判には、若い人も多く参加していただいているのですが、実はかなりの年配の方も参加されています。若い方のなかには、事故を受けて、ある種の生き方、価値観が問われていると感じている方が多いです。ある人は、「戦争は知らないが、終戦のとき、これからの日本がどうあるべきなのかを考えた人たちがいるでしょう、私は福島原発事故を受けた今日、1人の日本人として日本がどうあるべきかを考えています。そのときこの裁判の原告となることが自分の生き方だ、声を上げていかないといけないし、変えていかないといけないと考えた」と話されました。90歳を超えたお年寄りの方は、「正直、自分のことはもうどうでもいい。健康被害も90を過ぎているしね。しかし、東京にいる孫がときどき私のところに遊びに来てくれて、孫と一緒に山に山菜とりに行くのがささやかな楽しみだったが、今は孫もこないし山菜もとれない。2つの楽しみ、生き甲斐を失ってしまった。失ったものはささやかなものかもしれないが、長年この地域に生きて生きた人間として、なにかしら自分にできることはないかと、孫や地域のために何ができるかと考えた時に、この裁判の原告になることを決意した」と仰っていました。

 私たちの裁判はまさにこういう裁判だと思います。いろんな方たちの想いや被害を一つに束ねていく裁判だと思っています。これから、多くの方々から引き続きご支援をいただきながら、国と東電に責任を認めさせ、最終的には原発をやめさせるところまで持っていきたいと考えています。裁判は2月に1回のペースで行われていますし、原告団では現地調査なども行い、原告自ら「語り部」として活動しています。みなさまには、みなさんの地元に避難されている方々への支援とあわせて、ぜひ現地にも足を運んでいただけたらと思います。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

2013年11月30日

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団事務局長
弁護士 馬奈木厳太郎


  原告団・弁護団のホームページ: http://www.nariwaisoshou.jp/
  弁護団のフェイスブック   : https://www.facebook.com/nariwaikaese
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裁判所の要求さえ拒否した東電の隠蔽体質? 津波の試算資料の開示を求めた福島原発訴訟

2013.12.03 21:23|なりわい訴訟報道
■裁判所の要求さえ拒否した東電の隠蔽体質? 津波の試算資料の開示を求めた福島原発訴訟
(2013/12/02 Independent Web Journal 記者会見動画つき記事)


http://iwj.co.jp/wj/open/archives/114594
※動画は期間限定公開につき早めの視聴を!


国と東京電力に、原発事故被害者に慰謝料の支払いを求める「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の弁護団は、東電らが、福島地裁の要求を退け、資料開示の要求を拒否したことを報告。12月2日、これに抗議する声明を発表し、記者会見を開いた。

 福島地裁は11月、原告側の申立てを認め、次の3点の資料の提出を東電及び電事連に求めている。


1) 1896年の明治三陸沖地震に基づく2008年の試算
2) 1677年の房総沖津波地震の試算
3)貞観(じょうがん)津波についての「佐竹論文」に基づいた試算

特定秘密保護法に一石を投じた福島地裁

 これらの試算は、東電が主張してきた「想定外」を覆えすものであり、東電が過去、過酷事故につながる津波の水位をすでに予測していたことを根拠づけるものであるが、政府事故調や国会事故調の報告書のほか、旧保安院のホームページでも試算の一部を知ることはできる。

 しかし原告側は、東電や国の過失の有無や程度を明らかにするためには、結果ではなく想定方法が重要だとし、関連文書一切のすべてを開示を求め、福島地裁がこれを認める判断を下した。

 「これまで、国民がアクセスできなかった情報の開示請求を、裁判所が認めたことは画期的な決定だった」

 弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士はこう話し、続けて、「事故の原因を知るための情報は誰のものなのかー。特定秘密保護法の議論が高まっている中、福島地裁が下した判断はこれに一石を投じるものだった」と評価した。

 裁判所の要求を拒むことは一般的ではないと言うが、東電らはなぜ退けたのか。

蒸し返しの議論を続ける東京電力

 東電は、この損害賠償訴訟は、原賠法によって「故意」か「過失」かの立証は不要であると定められていることを理由に、「過失責任は審理対象にならない」として資料提出を拒否している。

 一方、電事連は、「専ら内部の者の利用に供する目的で作成し、外部の者に公開することを予定していない」と回答文書を福島地裁に送っているが、すでに国会事故調に提出されており、拒否理由は明らかに成り立っていない。

原告側、より強力な「文書提出命令」を検討中

 文書送付嘱託制度を利用した今回の申立ては、東電らが違反しても制裁はない。しかし、もし東電や電事連がこのまま提出を拒み続けた場合、原告側は「文書提出命令」というより強力な手続きを検討していると弁護団は語る。東電らがさらにこの命令を拒んだ場合、原告側の主張が真実であると認めるられることができる。

 ここまでして情報開示を拒む理由の一つに、弁護団は「時間稼ぎ」を挙げる。

「『想定外』であるならば、それを裏付ける資料を率先して開示すべきであり、それほどまでに支障のある内容なのか」と

 拒む理由には一つ、「時間稼ぎ」が考えられると馬奈木厳太郎弁護士は、「今、情報を開示すると、再稼働の手続きに支障があるのかもしれない」と話した。

(IWJ・ぎぎまき)

※以下、IWJの記事を紹介する生業訴訟公式サイトの記事を転載します。

東電・電事連による文書開示拒否に対し抗議する記者会見
http://www.nariwaisoshou.jp/activity/entry-262.html


2013/12/2

津波に関するシミュレーション結果及び福島原発の津波安全評価に関する文書の開示について、第3回口頭弁論期日において、裁判所が文書送付嘱託を採用する決定をし、東京電力及び電事連に対し、11月30日までに当該文書を提出することを指示しましたが、東電及び電事連がこれを拒否する回答をしました。

2013年12月2日、原告団と弁護団は、福島と東京でこれに対し抗議する記者会見を開きました。福島では十数名の記者さんにおいで頂き、活発な質疑応答がありました。

原告団・弁護団はこれからも東京電力及び電事連に対する文書の提出を求めていきます。
東京での記者会見の模様については、下記URLにて、IWJ様が現在録画放映を行っておりますので、ご覧下さい(一定期間が過ぎると、アーカイブ化され、無料視聴できなくなりますのでご注意ください)。

IWJ記事:【判所の要求さえ拒否した東電の隠蔽体質? 津波の試算資料の開示を求めた福島原発訴訟】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/114594


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セシウム検査で判明した関東の子どもの体内被曝の深刻度

2013.12.02 23:38|被曝・賠償・医療問題
■セシウム検査で判明した関東の子どもの体内被曝の深刻度
(週刊朝日  2013年10月4日号)

http://news.livedoor.com/article/detail/8099907/

 関東15市町で実施されている最新検査で、子どもたちの尿の7割からセシウムが検出されていたことがわかった。ジャーナリストの桐島瞬氏は、その被曝の深刻度を明らかにする。

*  *  *
 入手したショッキングなデータをまず、ご紹介しよう。常総生活協同組合(茨城県守谷市)が、松戸、柏、つくば、取手など千葉、茨城の15市町に住む0歳から18歳までの子どもを対象に実施した尿検査の結果である。

「初めの10人を終えたとき、すでに9人からセシウム134か137を検出していました。予備検査を含めた最高値は1リットル当たり1.683ベクレル。参考までに調べた大人は2.5ベクレルという高い数値でした。いまも検査は継続中ですが、すでに測定を終えた85人中、約7割に相当する58人の尿から1ベクレル以下のセシウムが出ています」(常総生協の横関純一さん)

 検査を始めたのは、原発事故から1年半が経過した昨年11月。検査対象全員の146人を終える来年明けごろには、セシウムが検出される子どもの数はさらに膨れ上がっているだろう。

 セシウム134と137はウランの核分裂などにより生じ、自然界には存在しない物質だ。福島から近い関東の子どもたちが、原発事故で飛び散ったセシウムを体内に取り込んでいるのは間違いないだろう。副理事長の大石光伸氏が言う。

「子どもたちが食べ物から常時セシウムを摂取していることが明らかになりました。例えば8歳の子どもの尿に1ベクレル含まれていると、1日に同じだけ取り込んでいると言われます。内部被曝にしきい値はないので、長い目で健康チェックをしていく必要があります」

 関東だけではない。放射能汚染による体内被曝が、東海や東北地方にまで及んでいることも分かった。福島を中心に200人以上の子どもの尿検査を続けている「福島老朽原発を考える会」事務局長の青木一政氏が、実例を挙げて説明する。

「昨年11月に静岡県伊東市在住の10歳の男児、一昨年9月には岩手県一関市在住の4歳の女児の尿からセシウムが出ました。この女児の場合、4.64ベクレルという高い数字が出たため食べ物を調べたところ、祖母の畑で採れた野菜を気にせずに食ベていたのです。試しに測ってみたら、干しシイタケから1キロ当たり1810ベクレルが検出されました」

 食品に含まれる放射性セシウムの基準値は、1キログラムあたり一般食品100ベクレル、牛乳と乳児用食品50ベクレル、飲料水と飲用茶10ベクレルだ。ただし、基準そのものに不信感を持つ消費者も多い。検査もサンプル調査だから、東日本の食材を敬遠し、なおかつ1ベクレルでも気にする風潮につながっている。

 体内にセシウムを取り込むと、どういう影響が出るのか。内部被曝に詳しい琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬氏が解説する。

「セシウムは体のあらゆる臓器に蓄積し、子どもの甲状腺も例外ではありません。体内で発する放射線は細胞組織のつながりを分断し、体の機能不全を起こします。震災後、福島や関東地方の子どもたちに鼻血や下血などが見られたり甲状腺がんが増えているのも、内部被曝が原因です。怖いのは、切断された遺伝子同士が元に戻ろうとして、間違ったつながり方をしてしまう『遺伝子組み換え』で、これが集積するとがんになる可能性があります」

 矢ケ崎氏は、尿中に含まれるセシウム137がガンマ線だけ勘定して1ベクレルだとすれば、ベータ線も考慮すると体内に大人でおよそ240ベクレルのセシウムが存在し、それに加えてストロンチウム90もセシウムの半分程度あるとみる。

 体に入ったセシウムは大人約80日、子ども約40日の半減期で排出されるが、食物摂取で体内被曝し、放射線を発する状態が続くことが危険だと言う。

 常総生協が昨年度、食品1788品目を調査した資料がここにある。結果を見ると、280品目からセシウムが検出されていた。米74%、きのこ63%、お茶50%、それに3割近い一般食品にもセシウムが含まれていたのだ。


以上、転載おわり


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東電・電事連への指示を求め資源エネルギー庁へ申入書提出

2013.12.02 21:58|なりわい弁護団より
■2013年12月2日付けで生業原告団と弁護団より、東電及び電事連に対して、津波試算に関する資料の隠蔽の姿勢を根本的に改め、全ての文書を開示するよう速やかに指示することを資源エネルギー庁に求めました。以下、本日行われた記者会見で配布された申入書の内容を転載します。


申 入 書

2013(平成25)年12月2日

〒100-8931
東京都千代田区霞が関1丁目3番地1号
経済産業省 資源エネルギー庁 御中

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団   
「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団 

第1、申入れ事項

貴庁から東京電力及び電気事業連合会に対し、すみやかに下記とおり指示するよう求める。



(1)「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(福島地方裁判所平成25年(ワ)38号等)において、原告らが東京電力株式会社(以下、「東電」という)及び電気事業連合会(以下、「電事連」という)に求めている、津波に関するシミュレーション結果及び福島原発の津波安全評価に関する全ての文書につき、開示すること。

(2)特に、以下の文書について速やかに開示すること。
 

 ① 明治三陸沖地震に基づく2008年試算
東電が2008(平成20)年5月下旬から6月上旬に実施した、地震調査研究推進本部「長期評価」(2002(平成14)年7月31日)を参考に1896年明治三陸沖地震(M8.3と設定)の波源モデルを福島県沖の海溝沿いにあてはめた場合の津波水位の試算に関連する資料一切。
 
 ② 1677年房総沖津波地震に基づく試算
東電が上記①の試算と同時期ないしそれより以後に実施した、1677年房総沖津波地震の波源モデルによる津波水位の試算に関連する資料一切。

 ③ 2008年「佐竹論文」に基づく試算
東電が、貞観津波についてのいわゆる「佐竹論文」(2008(平成20)年10月に東電がその原稿を入手した)で示された波源モデルを基に、福島第一原発及び福島第二原発における波高を試算して作成した文書一切。

 ④ 電事連が2000年当時最新の手法で津波想定を計算し原発への影響を調べたことに関する資料一切(電事連部会への報告資料のほか、この津波想定と調査に関し言及した議事録をも含む)


第2、申入れの趣旨

1、東電及び電事連による文書提出拒否
  「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(以下「本件訴訟」という)は、約2000名の原告が、東電及び国を被告として、福島第一原発事故による被害の原状回復と損害賠償を求め提起している訴訟である。

  同訴訟において、原告らは東電及び国の過失責任を問うており、全交流電源喪失を生じる津波についての東電及び国の予見可能性が重要な争点となっている。

本件訴訟の第3回口頭弁論期日(本年11月12日)において、福島地裁は、原告らが東電及び電事連に求めていた津波に関するシミュレーション結果及び福島原発の津波安全評価に関する文書の開示につき、文書送付嘱託を採用する旨決定し、東電に対し本年11月30日までに当該文書を提出することを指示した。

しかるに、東電及び電事連はいずれも文書の提出を拒否している。

2、重大な過去の事実の隠ぺいを許してはならない
上述した文書はいずれも、今回の原発事故に関する政府事故調報告書・国会事故調報告書等でその存在が明らかなものである。特に、上述の文書①ないし④の試算内容は、原子力建屋等の設置された敷地の高さを超える津波を、東電あるいは電事連が試算により想定していたことの証左となる可能性の高いものである。福島地裁による文書送付嘱託申立の採用については、既に広く報道がなされ、原告らのみならず多くの国民の重大な関心事ともなっている。

裁判所の決定を敢えて無視しこれらの文書の提出を拒否したことは、裁判における争点の解明を妨害し、自らに都合の悪い情報を国民の前に明らかにせずひたすら隠蔽して憚らない、東電及び電事連の体質を如実に示すものである。

福島原発事故以前、東電がたびたび原発での事故を隠してきたことは広く知られている。事故後、東電はこうした企業体質の改善に努めることを表明しているが、今回の文書提出拒否により、このような国民への約束が口先だけのものに過ぎないことが明らかになった。

  将来において同様の原発事故と悲惨な被害を二度と招かぬためにも、原発事故に関する過去の重大な事実(津波の試算と想定)についての、東電や電事連の隠蔽を決して許してはならない。


3、以上の理由から、原子力立地・政策を所掌事務として遂行する貴庁において、東電及び電事連に対して、津波試算に関する資料の隠蔽の姿勢を根本的に改め、全ての文書を開示するよう速やかに指示することを求めるものである。

以 上


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【公式声明】東京電力の文書提出拒否に抗議する

2013.12.02 03:21|なりわい弁護団より
東京電力の文書提出拒否に抗議する

2013(平成25)年12月2日

1 東京電力の文書提出拒否

  本年11月28日,東京電力株式会社(以下「東電」という。)は,「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(福島地方裁判所平成25年(ワ)38号等。以下「本件訴訟」という。)に関し,福島地方裁判所宛に「送付嘱託書への回答書」との書面(以下「回答書」という。)を提出した。
  これは,本件訴訟において,原告らが東電に求めていた津波に関するシミュレーション結果及び福島原発の津波安全評価に関する文書の開示について,裁判所が,本件訴訟の第3回口頭弁論期日(本年11月12日)において,文書送付嘱託を採用する決定をなし,東電に対して,本年11月30日までに当該文書を提出することを指示しその旨の送付嘱託書を発したことに対し,文書の提出を拒否するという内容の回答である。


2 裁判所が東電に提出を指示した文書について

  上記のように,裁判所が東電に提出を指示した文書は,津波に関するシミュレーション結果や福島原発の津波安全評価に関する文書である。
  東電は,過去に生じた津波(既往津波)あるいは生じることが想定される大規模の津波(想定津波)について,その規模等をシミュレーションするとともに,それらの津波が生じた場合,原発にどのような影響が生じるかなどの安全性評価を行っていた。そして,東電は,これらのシミュレーション結果から,福島原発を当時想定されていた津波高をはるかに上回る波高の津波が襲う可能性があることを認識していたにもかかわらず,津波対策の見直しや強化などの対策を講じてこなかった。また,国も,東電からシミュレーション結果等についての報告を受けていながら,東電に対して津波対策の強化等の指示監督を行ってこなかった。これらの事実は,これまで,政府や国会の事故調査委員会の報告書などにおいて公表されてきたが,その一次資料であるシミュレーション結果や津波安全評価の記載された文書そのものは,いまだに国民の前に公開されていない。
  これらの文書は,福島原発事故を引き起こしたことについて,東電や国に過失責任があるか否かを判断するために極めて重要な一次資料である。だからこそ,原告らは,これらの文書提出を求め,裁判所も,これらの文書が,津波被害についての予見可能性を判断する上で重要な証拠であり,東電と国の過失責任を判断するために必要な資料であるとして,東電に対して提出を指示したのである。


3 東電の提出拒否は許されない

  回答書において,東電は,本件訴訟は,原発事故による損害賠償を求めているものであるところ,原発事故による損害賠償は,原賠法により無過失責任が定められているから,本件訴訟においても東電の過失責任は審理対象とはならないとして,提出を拒否している。
  しかし,これは何ら理由とはならない。そもそも,これらの主張は,東電が本件訴訟において繰り返し行っている主張であり,東電は,原告が行った文書送付嘱託の申立に対しても,同様の理由で採用すべきではないという意見を述べていたものである。裁判所が,これらの東電の意見を聴取した上でなお,必要性があるとして東電に対して文書提出を指示したことに対して,東電は未だに同一の理由で提出拒否をしており,東電の提出拒否には全く理由がない。東電の主張が蒸し返しにすぎないことは明らかである。
  東電の文書提出拒否は,裁判所の決定を無視するという態度を表明したものにほかならず,裁判制度と,これに対する国民の信頼を根本から踏みにじる暴挙である。こうした態度は,決して許されるものではない。
  同時に,東電の提出拒否は,自らに都合の悪い情報は,国民の前に明らかにせず,とことん隠すという,東電の企業体質そのものをも明らかにするものである。東電は,福島原発事故以前から,たびたび原発での事故を隠してきた。東電は,福島原発事故以降,こうした企業体質の改善に努めていくなどとたびたび公表してきたが,今回の文書提出拒否は,このような国民への「公約」をも踏みにじるものであり,本件原発事故を契機とした反省が真摯なものでなかったことを強く疑わせるものである。
  さらに,東電が提出を拒否した文書は,すでに公表されている政府や国会の事故調査報告書に記載されるなど,文書自体の存在がすでに国民の前に明らかになっているものである。このように,存在がすでに明らかになっている文書についても裁判所に提出することを拒否するという東電の態度は,裁判における事故の真相究明をいたずらに妨害しようとするものである。逆に言えば,東電がこうした態度をとること自体,原発事故を引き起こしたことについて,自らの過失を認識しつつ,裁判における過失責任追及を恐れていることを示すものである。
  当原告団及び弁護団は,こうした東電の不当きわまりない暴挙を強く糾弾するとともに,東電が自主的にすべての証拠資料を自ら開示するよう強く求める。また,裁判手続上利用できる全ての手段を用いて,東電及び国に対し,福島原発事故の事故原因解明につながるあらゆる証拠資料の提出を求め,本件訴訟に勝利する決意である。

以 上

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団   
「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団

 
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東電「データ開示必要性ない」 訴訟で被災者に回答拒否

2013.12.01 08:04|なりわい訴訟報道
■東電「データ開示必要性ない」 訴訟で被災者に回答拒否
(2013年11月30日 福島民友ニュース)


 東京電力福島第1原発事故で健康や地域を損なったとして、県内外の被災者
約2000人が国と東電に原状回復や月額5万円の慰謝料を求めていた訴訟で、
東電が「津波の試算データを開示する必要性はない」と回答を拒否しているこ
とが29日、分かった。原告団を支援する「生業を返せ、地域を返せ!」福島
原発事故被害弁護団が明らかにした。

 福島地裁(潮見直之裁判長)で12日に開かれた第3回口頭弁論で、潮見
裁判長は原告側の主張に沿い、東電に2008(平成20)年までに津波を
試算したデータ資料を提出するよう求めていた。弁護団は「東電の対応は、
裁判所との約束を踏みにじる不当なもの」と怒りをあらわにした。2日に
本県と東京で会見を開き、今後の対応を説明する。


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東電が裁判所の「文書送付嘱託 」を拒否

2013.12.01 07:04|なりわい弁護団より
馬奈木厳太郎(まなぎいずたろう)弁護士より原告団へ

本日、裁判所から連絡が入り、東京電力が文書送付嘱託に対し、「必要性なし」
を理由として応じかねるという書面を提出したことがわかりました。

必要性なしの理由は、これまで東電が主張していたものと同一の内容で、要する
に原賠法では過失が要件となっていないことから、過失の有無を判断する資料で
ある試算データを開示する必要がないというものです。

しかし、この東電の主張は、すでに裁判所も聞いているものですし、そのうえで、
前回期日において、開示の判断を示したものですから、東電の今回の主張はすでに
解決済みのものをまた持ち出してきた、いわば蒸し返しの主張にすぎません。

弁護団では、今回の回答を受け、
急遽2日に福島市と東京で記者会見を行うことを決めました。
具体的には、福島県庁の県政記者クラブで12時から、
東京の司法記者クラブで16時30分からで現在調整中です。


原告団のみなさまにおかれても、ご都合のつく方は福島県庁での記者会見に
参加していただけると助かります(中島団長は参加できるとのことです)。

あわせて、会見の際に抗議声明を発表したいと考えております。

今後ですが、裁判所に対しては、より強い態度で提出を求めるよう訴訟指揮の
発動を促すとともに、監督官庁であるエネ庁に対しても申入書を送付する予定に
しています。

国会開会中でもあるので、国会議員のルートも追求したいと考えています。
(質問等を通じて圧力をかける)

※以上、馬奈木弁護士より

このように、裁判の場でも東電は自らの過失について「知らせない」態度を
不当に貫いています。

国と東電に対し責任追及の声を上げる人が少ないままでは、絶対に覆せない。

彼らは人々の関心が原発被害に向かぬよう、オリンピックなどあらゆる手を
使って世論を動かそうとする。

惑わされず声を上げ続けよう!!



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【原状回復&ふるさと】 デモ行進と第3回口頭弁論期日

2013.12.01 06:30|なりわい弁護団より
【原状回復&ふるさと】 デモ行進と第3回口頭弁論期日

http://www.nariwaisoshou.jp/progress/2013year/entry-250.html

以下、生業訴訟弁護団公式サイトより文章を転載
サイトでは原告と被告の意見陳述の準備書面のPDFファイルがダウンロードできます。


■2013年11月12日 12:15~ 新浜公園

11月12日、福島に初雪が降り今年度一番の冷え込み(7度!)の中、約150名の方にお集まりいただき、決起集会とデモ行進を行いました。
中島団長より開会のあいさつ、菊池共同代表より弁護団あいさつののち、各支部の原告からあいさつがあり、玄海原発から板井弁護士、復興共同センター代表委員の斉藤富春さんより連帯のあいさつがありました。
13:00から福島地裁に向けてデモ行進を行いました。

■2013年11月12日 15:00~17:30 福島地方裁判所

「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の第3回目の期日(裁判の日)が行われました。
 一番初めに、3月11日に提訴した第一次原状回復訴訟、5月30日に提訴したふるさと喪失訴訟、9月12日に提訴した第二次原状回復訴訟が併合(一緒に裁判で審理すること)決定されました。
 冒頭に3人の原告の意見陳述(原告や弁護士が訴訟にあたって、被害や意見を述べること)を行った後、提出書類の陳述が行われました。その際、原告が提出した準備書面(原告の法律的な主張を書いた書面)の要約の陳述も行われました。陳述の内容については、添付のファイル又は第3回模擬法廷の動画を後程UPする予定ですので、ご覧下さい。
 また、双方の主張と裁判の進め方について、書面又は口頭で下記のようなやりとりがありました。 

原告は、準備書面で、「今回の訴訟は適法であり、却下するべきとの主張は間違っていること」、「原告らの求める原状回復の法律的な主張のまとめと原状回復に向けた措置」、「国・東京電力は(1)原子炉の安全設計にあたって当然考慮されるべきこととして適切な地震・津波を想定することによって事故を防ぐ義務があったこと、(2)全交流電源が喪失するなどの過酷な状況に対する対策をすることによって事故を防ぐ義務があったこと、これら2つのことを十分予想することができたこと」「今回の事故の具体的な経過」「さまざまな事故を受けて法律で安全の確保が追加されたにも関わらず、原発推進を優先し意図的に安全対策を怠ったことが違法であること」「今回の原発事故の被害の特質、被害の構造や、原告らの平穏な生活をおくる権利を侵害したこと」などを主張しました。
国、東京電力から、ふるさと喪失訴訟や第二次原状回復訴訟についての認否(認める・認めない・知ってる・知らない)が提出されました。
原告は裁判所に対して、東京電力に津波のシミュレーションや安全評価などを提出するよう文書送付嘱託(裁判所に提出を促すよう求める手続き)を行ったことに対し、東京電力はこれらの資料は本件の心理に必要でなく、関係もないし、東京電力の防御を害するので提出を拒否すると答えましたが、裁判所は国との関係で過失を判断するためにも必要性が高く、攻撃のための準備行為なのだから防御権の侵害とならないため、東京電力は11月末までにデータを提出することとしました。
原告は、裁判所に対し、被告らに前倒しで反論を行うか、本人尋問などの被害の立証を同時に進めたいと主張しましたが、裁判所は第5~7回の被告の主張も大量の見込みで裁判所としても期日で釈明(よくわからないことを訊ねること)や議論を行う予定であるので、被害立証をする余裕がないと答えました。原告は裁判所の姿勢を了解し、せめて意見陳述は従前どおり続けさせてほしいと要望しました。
 今回、原告は文書送付嘱託申し立ての採用という大きな成果を得ました。東京電力から文章を提出させるのは、全国の原発に関係する訴訟の中でも初めてのことです。傍聴席からは何度も「よし」という声が上がっていました。
 次回の裁判では、東京電力から提出されたデータをもとに被告らの過失や責任についての主張を追加し、次々回から被告らの反論の回となります。
 次回の裁判は、平成26年1月14日の15時からとなります。寒いかと思いますが、多くの方のご参加をお待ちしております。


以上転載おわり



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東日本大震災の時に首都圏在住在勤。キヨシローの反原発ソングしか知らなかった自分を反省し、当時小3になったばかりの子供を放射能からどう守ったらよいか真剣に学ぶ。1年後、沖縄に移住。2012年12月、沖縄にいる原発避難者のための東電による説明会が行われたが、その開催に尽力したのが避難者支援の市民団体『つなごう命〜沖縄と被災地をむすぶ会〜』だった。共同代表の沖本八重美さん(2013.1.26永眠)は広島原爆の胎内被爆者ゆえ、新たな被ばくの犠牲者に対し深い共感をもって支援した。深刻かつ長期にわたる被害に対し “法廷で東電と国の責任を問う” ことが八重美さんの悲願だった。私も同じ気持ちでこの訴訟の支援を続けて行きたいと思っている。

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