2・10 第3次提訴のお知らせ!

2014.01.31 12:38|なりわい訴訟について
2014年2月10日(月)約600人で福島地裁に第3次提訴します!

みなさまご存知の通り、福島地裁の周辺も線量が高く、まさに被害のまっただ中で行われいる裁判です。

相馬(浜通り)から参加している団長も、福島市内(中通り)の放射能の濃さは相馬とはちょっとレベルがちがうと驚いておられました。浜通りの方は口をそろえて「中通りの子供が心配だ」とおっしゃっています。

原告も弁護士も裁判官も、みな低線量被曝しながら裁判やってます。

被害者である自分たちが加害者に責任を取らせること、それが自分たち大人世代の責任だ、という信念で、被曝より過労でやばいんじゃ、という勢いで、たくさんの方が頑張っておられます。

第3次提訴で原告の数は2500名を超えましたが、原発事故から3年経ち収束も全く目途が立たないなか、開き直って暴走を始めた原子力ムラの強硬姿勢を崩すにはまだまだ足りません...

事故発生時に福島・宮城・栃木・茨城・山形に住んでいた方なら誰でも原告になれます。これからも日本で生きていくという方はぜひ原告になって、少しでも国や東電の責任を問い、放射能汚染下で生きるための施策を国から正当に引き出す圧力になってください。

以上、中の人の個人的な発言でした。



☆原告になるには
http://www.nariwaisoshou.jp/soshou/genkoku/


☆提訴スケジュール(どなたでも参加可・飛び込み歓迎) 

12:15 あぶくま前法律事務所集合

12:50 裁判所へ行進開始

13:00 訴状提出 〜 市民会館へ移動

13:30 記者会見

14:00 報告集会


第3次提訴ちらし

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「汚染された生を拒否する日本の方々への手紙」

2014.01.31 10:50|関連情報
♡この手紙は原発推進国フランスにおいて、原子力およびそれが生み出す世界に抵抗する闘争に参加する数十名の男女が集まった会議において提案された、日本の人々への連帯のメッセージです♡



「汚染された生を拒否する日本の方々への手紙」


 福島の災害により、フランスにおいても反核運動が少しだけ活気を取り戻しました。私たちも参加したノルマンディーでの二つの重要な結集を思い出しましょう。2011 年11 月にはヴァローニュに800 人が集まり、ラ・アーグ「再処理」工場から出発する核廃棄物運搬列車を妨害しました。その数ヶ月後にはシュフレンヌ(Chesfrene)で、原子力発電所からの送電を行う超高圧送電線の建設に反対するため組織された別の集まりがありました。弱々しくも再生しつつある闘争への貢献を願って、私たちは2012 年の春に一冊の本を出しました。この本の関心はこの災害の社会管理、そして不可視性を組織する国家の論理にあります。あえて挑発的に『フクシマを忘れる(Oublier Fukushima)』と題されたこの本は、1986 年4 月26日のチェルノブイリ原子力発電所事故との多くの類似点を証明しました。
 

 この本の一部の日本語訳をみなさまへお届けします。1996 年から2001 年の間にベラルーシで実現された「汚染地帯の復興」を目指すところのエートスおよびCORE 計画についての詳細を述べたものです。その計画とは主にフランス人専門家を中心として行われた、事故後に避難が行われなかった汚染された村における社会的容認の実験です。フランス人たちは住民に「放射能との共生を学ぶ」ための数多くの「慎重な振舞い」を日常に適用するよう求めたのです。その方法は、添付のテキストに記述されているように、住人の健康の改善にはまったく寄与していません。住人たちは病気を罹患し続け、死亡率は上昇を続けています。復興プログラムのもたらした主な効果とは、親たちに罪悪感を植え付けることです。専門家の忠告を十分に守らなかったから、と親たちは子どもの癌の責任を感じています。彼ら彼女らの多くは汚染された地帯を離れることができなかったのです。「汚染地帯の復興」は、汚染農地での生産の継続と生産品の流通を可能としましたが、汚染の減少には何の役にもたっていません。 


 福島での災害が始まってから1 年半が経過し、チェルノブイリの時と同じフランス人専門家たちが日本人を助けるつもりでいます。福島におけるエートス計画で、彼らは放射線汚染の問題への実践的な解決案を提供する振りをしています。汚染地帯の住民の「意志」を尊重する、という口実で専門家たちは放射線防護と除染の教えを説いて回りながら、人々が汚染地帯に留まることを奨励するのです。2011 年12 月に災害の「収束宣言」を出し、住民の帰郷が可能であると発表した日本国家およびIAEA のプロパガンダを彼らは追随しています。こういった放射線防護の専門家たちは、日本政府に放射線防御基準を年間20mSv まで上げるよう事故の一ヶ月後に忠告したICRP などの国際組織にも参加しているのです。それによって福島県内の学校が素早く再開できた一方で、数十万人を対象とする避難への保証が行われることはないのです。ICPR メンバーとしてこの同じフランス人専門家たちは、経済効率の原則を優先し放射線防御基準の撤廃を目的とする「ALARA(As low as raisonnably achievable)ドクトリン」を普及させているのです。中でもジャック・ロシャールという人物がもっとも有名です。


 フランスにいる私たちは、災害によって汚染された地帯に住む人々の身の上についてほとんど何も知りません。私たちのところにまで辿り着く情報とは公的なソースのもので、すなわち核の専門家によってゆがめられたものなのです。影響を被っている人々による直接の証言はごくわずかです。ですがそのような証言こそが、フランスを支配する圧倒的な核の容認にわずかでも亀裂を入れるために必要なのです。日本人でない私たちも、汚染地帯にとどまる「意志」なるものが家族的、文化的、そしてとりわけ経済的な制約から生まれているだろうことは容易に理解できます。日本国家はごくわずかの人々だけを移住させ、避難民認定のシステムや補償金の支給は恣意的で不透明であるように思えます。経済的な手段がなければ避難の問題が困難なものとなることは容易に想像がつきます。別の土地での生活の再開には多くのお金がかかり、特に不動産ローンなどがあれば経済的な負担は大変なものです。さらに日本の他の地域で避難民を受け入れることも難しいことであるようです。誰も選んだ人などいない状況において、家族、カップル、友情が避難の問題を巡って引き裂かれています。すべてを専門家に任せてしまいたい、という誘惑は大きく、その専門家たちにとっては住民の不安こそがビジネスの基盤なのです。土地から引き離される苦悩、他所の土地に遺棄される恐怖、留まることへの大きな望みに応えるため専門家たちは、すでにベラルーシでそうしたように、シニカルにも偽の実践的解決策を提案します。そして彼らは立ち去ることが裏切りである、との考えを住民に植え付けるのです。その間にも子どもたちは鼻血を流し、甲状腺には問題が出てきています。癌の発症率が爆発的に増加するのも時間の問題でしょう。汚染地帯にとどまることは問題を悪化させるだけです。子どもたちの首の周りに取り付けられた線量計は子どもたちを放射線から守りません。国家にとっては「原子力危機」が過ぎ去り、「社会的信頼」が回復し、経済が弱まらず、歴史上最悪の事故によって原子力産業が損なわれないことがすべてなのです。


 広島、長崎、キシュテム、スリーマイルアイランド、チェルノブイリ、福島…歴史は繰り返します。勝ち誇る資本主義と原子力社会の発展を、災害が養うことをやめるのはいつのことになるのでしょうか?もしも日本の一部が、日常生活をほんの少し変えれば汚染地帯での生命/生活は可能であることの「生きた」証拠となってしまったら、原子力施設の建設、放射性物質の運搬、核廃棄物の埋設場に対して残りの世界は何を言い、何をすることができるでしょうか?疑いなく、何もできなくなってしまうのです。東京も含めた汚染地帯での状況を語ること、そしてそこからの脱走を呼びかけることは重要な争点なのです。避難を集団的に要求し、国際的なものへとすることが政治的に必要であるとわれわれには思われます。それなくしては、フクシマの災厄と汚染地帯で生き残っている人々は、原子力にとってかつてない最大の広告となってしまうのです。避難が裏切りと見られることが少なくなればなるほど、国家の支配から解放される連帯を想像しやすくなります。福島で生産された品物の購入は連帯行動などではありません。ヒエラルキーも、国家に期待することも、産業が提案する最新ガジェットもなしに、避難の必要性を要求すること、それに正しく貢献すること、集団的に組織すること。それが連帯なのです。


 この手紙は原子力およびそれが生み出す世界に対抗する闘争に参加する数十名の男女がフランス全土から集った会議において提案され議論されたものです。この手紙は反原子力を闘い、日本の汚染地帯における生を少し変更して受け入れてしまうことを拒否する人々への招待状です。共通の闘いを導くための議論、出会いへの招待です。あなたたちの反逆する声を国境を越えてフランスまで届けることは、急いでなされなければならないように思えます。フランスにおける原子力の運命は日本のそれに極めて近いのです。


万国のヒバクシャよ、団結せよ!


アルカディ・フィリンヌは『フクシマを忘れる』を共同執筆した三人の筆名です。
連絡先はこちら:arkadifiline@yahoo.fr (英語かフランス語かドイツ語)



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テーマ:放射能汚染
ジャンル:政治・経済

なりわい裁判は、何をめざしているか

2014.01.31 09:47|なりわい訴訟について
「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟

 なりわい裁判は、何をめざしているか

 全国の取り組みとの連帯 
 
 そして「これまで」と「これから」




第1
なりわい訴訟は何をめざしているのか


Q1 なぜ、国と東電の加害責任を追及するのか?
 今回の原発事故は、福島県を中心として、ふるさとを追われている多数の避難者や、「低線量」被ばくを余儀なくされている多くの「被害者」を生んでいます。しかし、他方で、こうした被害をもたらした「加害者の責任」は曖昧なままです。国も東電も、誰も原発事故の責任をとっていません。
 自分が交通事故を起こして人にけがをさせた場合を想像してみてください。「自分の落ち度を真剣に反省することがすべての出発点です。そのうえで、「出来る限りの賠償をする」「二度と事故を起こさないことを誓う」のではないでしょうか。
 今回の事故も同じです。まずは、多くの被害をもたらした東電と国の加害責任が明らかにされて、初めて除染や賠償、廃炉の問題に真剣に向き合うことになるのではないでしょうか。

Q2 なぜ、国を被告とするのか?
 原発は「国策民営」といわれるように、国の政策として進められてきました。また、安全対策の「いい加減さ」も、裁判を通じて明らかになってきていますが、その不十分な安全対策も、国と電力会社が二人三脚で進めてきたものです。
 また、現状では東電は実質的な破たん企業であり、除染も賠償も、実際はすべて国の経済的な負担で進められています。こうした状況を踏まえれば、国が被害者に対して、加害責任を負う者として、賠償・除染などに取り組むべきことを明らかにする必要があります。
 さらに、将来に向けての廃炉・脱原発については、国の責任の解明が不可欠です。

Q3 なぜ、賠償だけでなく原状回復をもとめるのか?
 今回の原発事故は、農地などの土壌、水、海、そして広大な山林など、わが国の国土全体を汚染している「公害事件」です。「公害事件」の特質は、加害者の加害行為によって、地域住民全体が、そのなりわいや健康、生活に被害を受ける点にあります。
 「公害事件」は賠償だけでは、解決しません。「金で済む話」ではないのです。
私たちは、賠償とともに、元の福島(ふるさと)を返せという統一的なスローガンの下、環境の回復、なりわいの回復、そしてふるさとの回復、そして、そこで営まれてきた生活全体の回復を追及します。


第2
全国の裁判とのなりわい裁判の関係


Q4 全国での裁判はどうなっているのか?
 被害救済を求める裁判は、2014年1月現在、札幌、山形、千葉、東京、横浜、名古屋、京都、大阪など13の裁判所に係属しています。原告は全体で4000名を超えています。
各地の裁判は、地域差はあるものの、その特徴はとしては、

(1)福島県などからの避難者中心の訴訟が、避難先の都道府県ごとに集約されて提起されている点があります(いわゆる自主的避難区域からの避難者が多い傾向にあります)。避難元の地域はいろいろですから、避難先で原告になった方々も、もともと人と人のつながりがあったわけではなく、たまたま避難先の弁護士会などに相談に行き、十分賠償が得られないことから裁判に進んだという例が多いといえます。

(2)損害論から訴訟に入っていく傾向があります。
 十分な賠償もないなかで避難を余儀なくされていることから、被害の早期回復という当然の要求があり、裁判でも東電の無過失責任による賠償を定めた原賠法に基づく請求をまず行い、「損害論」が先行する傾向にあるように思えます。

Q5 なりわい裁判の特質はどこにあるのか?
 なりわい裁判の特質は、4つに整理できると思います。
第1は、「加害責任追及」です。
この点は、すでに第1の通りです。「加害責任をはっきりさせること」が、「十分な賠償」、「なりわいと地域の回復」、「廃炉から脱原発へ」という本当の意味での解決に向けての出発点に据えられなければなりません。

第2は、「原状回復請求」を位置づけていることです。
この点は、裁判の形としては元の線量に戻せ、という形を取っていますが、原告団の要求は、線量の問題にとどまりません。元のなりわいを返せ、元の地域を返せというスローガンのもとで、取り組みを進めます。

第3は、なにより「福島現地でのたたかい」ということです。
 原発被害は、農地などの土壌、水、海、そして広大な山林など、わが国の国土全体を汚染する「公害事件」であり、福島県を中心とした私たちのふるさと(国土)の汚染が問題です。そして、被害も福島県を中心に集中して表れています。この現地・現場での被害を見つめ続けることが、全ての出発点になります。各地に避難を余儀なくされた原告は、遠く離れた地域で被害を訴えますが、避難者のたたかいを励ます意味でも、福島でのたたかいは重要です。

第4は、「原告の数」の多さです。
 全国で裁判に立ちあがっている人のうち、半数以上は、なりわい裁判の原告です。「数は力」です。
しかし、今回の事故によって被害を受けている大勢の被害者との関係では、原告の数はまだまだわずかです。たたかう仲間を増やしていくことが、被害者の声を裁判所に届ける意味でも大切です。また、なりわい裁判が大きくなることは全国を励ますことにもなります。 


第3
これまでのなりわい裁判の進展について


Q6 裁判の仕組みはどうなっているのか?
 裁判は、原告と被告の主張(言い分)を突き合わせてどこが争点になるのかという「主張整理」(土俵づくり)の第1段階と、整理された争点についての原告と被告が証拠調べをする手続き「立証」(相撲)の第2段階に区別されます。テレビドラマでおなじみの法廷での証言は、この後半の「立証」の段階となります。
そして、双方の立証活動の結果をふまえて、最終的に裁判官が争点に関する判断を示して判決(「白黒をつける」)に至ることとなります。

Q7 なりわい裁判はどこまできているのか?
 なりわい裁判は、2013年3月に初めて提訴し、5月には帰還が困難な地域の方の「ふるさと喪失訴訟」が追加提訴され、7月に第1回期日が開かれ、以後、2014年1月までに4回の裁判期日が開かれました。
これまでに、原告側としては、今回の原発事故についての国・東電の責任論についての原告側の主張を出し切りました。阪神淡路大震災を契機として国に地震調査研究推進本部が設置され政府の責任で地震調査が進められ、その成果として2002年には、いわゆる「長期評価」が出され、福島県沖を含む日本海溝沿いで大きな津波をもたらす津波地震が起きうることが指摘されていたこと、明治に三陸沖で起きた津波地震を福島沖に置き換えた計算では、福島第一原発の敷地も津波で水没することが明かになっていたこと、また原子力安全委員会の指針自体が「長時間の全交流電源喪失を考慮しなくてもよい」というように「安全規制の放棄」の状態にあったことなどを明らかにしました。
 原告側の責任論の主張に対し、東電は、そもそも原賠法が賠償について過失を要件としていないことから、過失=責任があったか否かを裁判で調べることに頑強に抵抗してきました。
 この間、原告と東電との間で論争を重ねてきましたが、裁判所は、第4回期日には、「東電の過失の有無・程度は重要な争点」と明言するに至りました。また、これに関連して、原告が東電に対し、事故前に行った津波の再現計算の資料の提出を要求したことに対しても、裁判所はこれを認めて東電と電気事業連合会にその提出を求めるに至っています。こうして、裁判において、東電の過失の有無・程度が正面から論じられることとなりました。
 全国の裁判においては、原賠法を理由に、「東電の過失は審理の対象としない」と明言する裁判所もあるなかで、なりわい裁判のこの到達点は特筆すべき点です。


第4
今後予想される展開


Q8 今後の裁判はどのように進むのでしょうか?
 裁判所は、原告側からの国・東電の過失(落ち度)=責任論の主張がなされたことに対して、国・東電に対し、2014年3月以降、反論することを求めています。東電は責任論から逃げようとしていましたが、裁判所は東電に対しても、反論を命じています。
 国・東電の反論は、3月と5月の裁判期日でおおむね明らかにされます。原告としては、国・東電からの反論に対して、速やかに、かつ厳しく反論を加えていく予定です。
 また、国と東電の責任に関しては、学者や研究者の方々との共同の勉強会の成果をふまえて、裁判上の立証活動を準備していくこととなります。具体的には、地震・津波が予見できたものであること、また、いわゆる全交流電源喪失などの過酷事故に対する安全確保が、米国などでは法的な規制となっていて、いわば国際標準として求められていたにもかかわらず、わが国ではそうした規制を行わなかったこと、などを立証していく予定です。


第5
最後に勝敗を決するのは被害を理解させること


Q9 裁判で勝つための展望は?
 これまでの公害裁判の取り組みの歴史をふまえて、公害裁判は、「被害に始まり、被害に終わる」といわれることがあります。
 原発事故によって多くの被害者が被っている被害の実態を裁判官に正しく認識してもらうことが、裁判の最終的な結果を左右するという意味です。
なりわい裁判においては、「損害」=お金の問題に限定されず、その前提ともいうべき「被害」を、法廷できちんとあぶりだすことが重要です。この点に向けて原告団と弁護団の共同をより一層強める必要があります。
また、多くの被害者が裁判に立ち上がることが決定的に重要といえます。

第6
さいごに 
ともに裁判を進めましょう


 福島原発事故は歴史的な事件であり、後世、わが国の戦後の歴史を語るときには「福島事故前」「福島事故後」に区分されるだろうといわれています。
 なりわい裁判で、今回の原発事故によって起きているすべての問題を解決することはできないかもしれません。しかし、今回の事故の責任を明らかにすることで、私たちは、この重大な被害を無駄にせず、「国のかたち」を作り直す重要な機会にすることも展望して、壮大な取り組みを進められればと思います。ともに、力を合わせていきましょう。
ぜひ、仲間になってください。


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テーマ:放射能汚染
ジャンル:政治・経済

「福島県立医科大学とIAEA(国際原子力機関)との国際学術会議」のご報告

2014.01.29 10:30|被曝・賠償・医療問題
「福島県立医科大学とIAEA(国際原子力機関)との国際学術会議」のご報告
 http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g61.html

※首相官邸災害対策ページに2014年1月28日掲載されたものを転載


  平成25年11月21日から4日間にわたり、「FMU-IAEA International Academic Conference(福島県立医科大学と国際原子力機関との国際学術会議)」が福島県立医科大学で開催され、延べ500名を越す方々が参加しました(1)。主なテーマは「放射線・健康・社会」であり、東電福島原発事故を受けて、医療人、特に医学生に対する医学教育の現場改革もテーマとなりました。


■会議の概要
  初日と2日目は、医学部と看護学部の学生を対象に、原発事故後の福島での経験と世界の放射線医学教育の現状について、国内外の専門家から紹介がありました。これは、従来医学専門教育の中に位置づけられていた放射線医学教育を、社会との関係から見直そうという考えに立ったものでした。

  3日目と4日目は専門家同士の講演会で、「科学技術と社会(Science and Technology in Society; STS)」という新たな視点が取り入れられ、福島の経験を活かした次の世代の医療人育成について活発な議論が展開されました。


■新たな放射線医学教育カリキュラムの策定
  今回の原発事故に遭遇した医療人の体験は反省も込めて少しずつ明らかにされていますが、福島県立医科大学では、実際の原発事故を経験した国内唯一の医科大学としての役割を果たす為にも(2)、広島大学や長崎大学と協力して、過酷な放射線災害に向き合った医療人の真摯な声に耳を傾けた新たな教育訓練プログラムがスタートしています(3)。

  今回の会議では、その教育訓練プログラムも含めた、福島発となる新しい、重要な医学教育カリキュラムの策定に、国内外の専門家から熱い期待が集りました。

  一方で、我が国の医学教育全体における放射線医学教育、特に放射線健康リスク科学の脆弱な現状についても報告されました。、この点については、学術の動向の特集(4)以外に、日本学術会議・臨床分科会の放射線防護・リスクマネジメント分科会でも改善に向けた提言が準備されつつあります。


■「STS」視点での医療人育成
  そのカリキュラムにおいて重要な視点が、前述のSTSです。医療に関わる異なる職種の専門家たちと社会、すなわち公衆を結ぶ為に、社会科学の一つであるSTSがどのように関われるのかという視点で、専門家による討論が行われました。

  「医学」と「社会科学」との対話にとどまらず、「学際(異なる学問分野にまたがる研究等)」という分野を超えての取組みや、社会の中で広く橋渡し的な仕事をする医療人の育成が必要であると提案されました。すなわち、細分化され、専門化された医学領域での課題解決(主として診断と治療の向上)を追求する現在の医学教育に対して、コミュニュケーション能力を含む個々人の総合的能力を開発するための、新たな放射線教養教育が議論されたのです。

  これまでも医学者や保健医療の専門家である医療人は、他の科学者と同様に、「正しい放射線情報や健康リスク」を国民に伝えるよう努力してきました。一方で国民が求めているのは、情報やデータそのものではなく、むしろ、正しく情報を解釈するにあたって信頼できる「人」であるとも言えます。それは、集団対応ではなく個別に個々人の患者さんに対応する、まさに医療の最前線における健康リスク管理そのものでもあります。

  「科学技術と社会」のダイナミックな関係を紐解くことは、多層で複雑な価値観が交錯する中で正解の無い答えを探す事と似ています。すなわち、◯か×か、白か黒かといった明白な答えではなく、不確実で不確定なグレーゾーンの中で、最善の答えを見出す努力の大切さを教える医学教育にこそ、普遍的な価値があります。

  医学・医療の最前線こそが、常にリスクと隣り合わせであり、決断と責任を求められる場です。そのことを念頭に、新たにSTSの視点が取り入れられることになりました。


■STSを活用した新たなガイドライン
  また、時々刻々と局面が変わる複合災害の現場ニーズに合わせた、復興支援に直接役立つような取組みへの要望もありました。たとえば避難生活者に対する差別や地域社会の分断という問題、メディアのあるべき姿などについても議論されましたが、まさに今回のさまざまな議論を集約し、放射線医学教育におけるSTSを活用した新たなガイドラインの必要性が、IAEAから提言されました。

  最後になりますが、教育の目標に関する根本的な意識変革が、幅広く教養教育でも求められているのではないでしょうか。「自分の目で見て、自分の頭で考え、判断・行動することが重要であることを認識し、そのような能力を涵養(ゆっくりと養い育てること)することが重要である」(政府事故調委員長所感)というこの事こそが、原子力災害や放射線事故に関する医学教育においても、再認識される必要があります。


《 国際学術会議の開催に至った経緯 》

  平成24年12月、IAEAと福島県の間で、外交ルートを通じた包括的な協力関係に関する覚え書きが締結されました。その中で、福島県とIAEAの間で、放射線モニタリングや除染事業の実務に関して協力する合意がなされました。

  また、福島県立医科大学とIAEAとの間では、「人の健康」に関する協力分野として、3つのプロジェクトが合意されました(5)。第一として、医療関係者・専門家に加えて、医学生の能力開発に関わる放射線医学教育の強化、第二に、メンタルケアと放射線リスクコミュケーションなど放射線災害医療における研究協力の強化、第三に、放射線災害の非常事態における医学物理士の為の具体的なトレーニングパッケージの作成です。

  今回の会議は、この時の覚え書きに従って開催されました。


山下俊一
福島県立医科大学副学長
長崎大学理事・副学長(福島復興支援担当)


参考資料

Fukushima Radiation and Health
福島県立医科大学附属病院被ばく医療班編集:放射線災害と向き合って.ライフサイエンス出版.2013年
福島県立医科大学災害医療総合学習センター
学術の動向2013年12月号.特集.災害に対するレジリエンス構築:原子力災害からの復興に向けた課題と対応.
Fukushima Radiation and Health


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福島県立医大病院に小児がん科新設へ

2014.01.29 09:05|被曝・賠償・医療問題
■医大病院に小児がん科新設へ
(NHK 福島放送局 2014年1月28日)


【ニュース動画】http://www.dailymotion.com/video/x1ah9pm_20140128

福島医大に小児腫瘍科新設 記事


原発事故のあと、住民の間に健康への不安が高まっていることなどから、来年度、県立医科大学付属病院に、子どものがんを専門とする診療科が新たに設置されることになりました。

県立医科大学付属病院に来年度、新たに設置されるのは、子どものがんの診察や治療を専門に行う「小児腫瘍科」です。
病院には、高い水準の技術をもった小児がんの医療チームがあり、これまでにも県内外から患者を受け入れてきましたが、原発事故のあと、住民の間で放射線による健康への影響に不安が高まっているとして、今後は独立した診療科として、
医療スタッフの増員も検討するということです。

県立医科大学では、3年後にあたる平成28年度に、最先端の治療や人材育成などを担う、大規模な医療センターの開設を目指していて、来年度に新設される小児腫瘍科も、将来的にこの医療センターの中に組み入れられる計画です。県立医科大学付属病院の棟方充病院長は、「福島の未来を担う子どもや親の不安を受け止め、安心して暮らせる環境を作ることが重要だ。専門家を配置して、総合的に子どもの病気に対応していきたい」と話していました。

2014年01月28日 09時48分

キッズ


■キッズキャンサーセミナー
http://congress.jsco.or.jp/jsco2014/index/page/id/83

福島でこそ日本一の「ガン教育」が必要だ!
※小学5年生, 6年生を対象に合計24名募集

1.日 時
2014年3月29日(土)09:30 〜 16:00

2. 会 場
福島県立医科大学スキルラボ(福島県福島市光が丘1番地)

3.主催
第52回日本癌治療学会学術集会
福島県立医科大学 器官制御外科学

4.後援(予定)
福島県
福島県教育委員会
福島市
福島市教育委員会
福島県立医科大学
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

5.主なスケジュール
午前:オリエンテーション   昼食    午後:体験セミナー
がんの講義                手術体験
病院見学など               エコー体験 



続きを読む >>

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【沖縄】学習会・訴訟説明会のご案内

2014.01.22 21:54|原告団沖縄支部活動
すでに原告になった方はもちろん、これから原告になろうという方、
またこの訴訟に興味のある方、ご支援頂ける方など広く皆様のご参加を
お待ちしております☆

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟
 沖縄支部原告の皆様へ

拝啓

 本格的に冬が到来しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日、福島に行きましたが、阿武隈山系は冬化粧し、道路にも雪が
積もっているなど、四国出身の私には厳しい寒さでした。

 さて、去る2014年1月14日、「生業を返せ、地域を返せ!」
福島原発訴訟の第4回口頭弁論期日が福島地方裁判所で行われました。
 そこで、沖縄でも、この第4回期日についてご報告する会を、
下記の日程で行うことになりました。


◆2014年1月25日(土)
時間:15;00~ 
場所:今帰仁中央公民館

◆2014年1月26日(日)
時間:13;00~ 
場所:奥武山公園沖縄県立武道館2階研修室


 両日共に、訴訟の進行状況についてご説明する予定です。
ご都合の良いほうへご参加ください。

 また、両日共、原告の新規申込みも受け付けております!
原告団役員と弁護団の協議で、来年早々に、第3次提訴をすることを
予定しています。

 訴訟の最新の情報は、下記HPに掲載しております。
そのほか、ご不明な点があれば、ご遠慮なく、当職までご連絡ください。

 それでは、皆様にお会いできるのを楽しみしております!                          
                             敬具

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団
 弁護士  中瀬奈都子
 川崎合同法律事務所

〒210-8544
川崎市川崎区砂子1-10-2ソシオ砂子ビル7階
TEL:044-211-0121 FAX:044-211-0123
Mail:nakase@kawagou.org

【弁護団・原告団HP】 
http://www.nariwaisoshou.jp/
⇒訴訟に関する最新の情報を掲載しております。是非、ご覧ください!



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【転載記事】なりわい訴訟 大きく前進しました!

2014.01.22 00:41|なりわい訴訟について
※ 個人ブログ「ブーゲンビリアのティータイム」より転載しています


「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟 第4回口頭弁論

 しんぶん赤旗 2014年1月15日(水)記事
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-15/2014011515_01_1.html

   なりわい訴訟の第4回口頭弁論が14日、福島地裁(潮見直之裁判長)
   で開かれました。

   争点の一つは、東電の過失の有無を審理するかどうか。

   被告は原子力損害賠償法が過失を要件としていないことを理由に
   審理すべきでないと主張。
   原告は同法が民法の適用を排除するものではないこと、
   民法の損害賠償を求めていることから審理すべきと主張していました。

   この日、裁判長は過失の審理も含めるべきだと明言。
   全国各地裁で同様の訴訟が行われている中で過失を審理対象にしたのは
   初めて。

   原告弁護団は「この訴訟の本質にかかわることで大きな一歩」
   と評価しました。
               <しんぶん赤旗 から抜粋>


どう考えても国と東電に責任がないわけない!

地震・津波を過小評価して対策を怠ってきたんですから!

ところが、東電は「原子力損害賠償法」を盾に「無過失」を主張。

うおおおおおおおっ!!!!!なわけない!!!!!

審理すべきかどうかを争っていること自体に怒りがおさまりませんが
どんなに絶叫しようともこれが現実。

「原子力損害賠償法」vs 「民法」

どちらで争うかが争点なのです。
「原子力損害賠償法」で争えば東電の過失は問われません。
「民法」で争えば、東電の過失を問うことができます。

というわけで、過失を審理するというのは民法で争うということ。
これはとても大きな前進なのです。

「原子力損害賠償法」なんてものを作って責任とらなくていいように
していた国にも東電にも怒り爆発ですが、
それに真っ向から対抗しているのが「なりわい訴訟」。

現在、東電原発事故に対する損害賠償請求の訴訟は
10以上起こされていますが、東電の過失をも問うているのは
「なりわい訴訟」だけ。

とても本質的なところで戦っている訴訟です。

14日に意見陳述された大内秀夫さんは
すでに40年前に、原発の危険性を訴えておられた方。

   「40年前から裁判の中で指摘し続けた危険な事態が、
   今回の原発事故で現実化した」と陳述。
   「私たちは今度こそ絶対に勝ちます。この地域で生きていくために
   未来の子孫のために私の人生の大仕事だと思ってこの裁判の原告に
   なっています」と訴えました。
       
    <しんぶん赤旗 から抜粋>


1975年の福島第2原発設置許可取り消し訴訟は最高裁で敗訴と
なりました。
それが2011年の事故につながっています。

もう本当に後がない。

デモよりも署名よりも有効なのは訴訟だけ。

「なりわい訴訟」

本質的なところで戦っています。


※以上、下記のブログより転載しました。ぜひ元ブログにアクセスしてください。 ↓ ↓ ↓


「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟 第4回口頭弁論

しんぶん赤旗 2014年1月15日(水)   
なりわい訴訟の第4回口頭弁論が14日、福島地裁(潮見直之裁判長)で開かれました。争点の一つは、東電の過失の有無を審理するかどうか。被告は原子力損害賠償法が過失を要件としていないことを理由に審理すべきでないと主張。原告は同法が民法の適用を排除するものではないこと、民法の損害...
なりわい訴訟 大きく前進しました!

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2014年 第2回原告団総会 基調報告及び今年度の方針

2014.01.21 07:54|なりわい訴訟について
2014年 第2回原告団総会 基調報告及び今年度の方針


1.はじめに

 みなさん、寒いなかお集まりいただき、ありがとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、2013年3月3日の第1回原告団総会、3月11日の第一次提訴から、早くも10ヶ月が経ちました。また、あの事故からは、まもなく3年が経過しようとしています。そうしたなか、本日、これまでの取り組みを振り返るとともに、本年の方針を討議するため、第2回原告団総会を開催する運びとなりました。そこで、総会に際し、私から基調報告をし、あわせて本年の方針についての提起を行いたいと思います。
 

2.現在の状況について

 まず、現状の状況についてですが、一言でいえば、事故以来、私たちの置かれている状況は何も変わっていない、責任を負うべき人たちの誰も責任をとっていない、そうした状況がずっと続いています。

 事故の原因は解明されたか、事故は収束したか、被害はなくなったか、すべてノーです。しかし、政府は、再稼働を進め、状況は完全にコントロールされているとうそぶき、原発を重要なベース電源と位置づけています。今回の事故について、責任を認めるどころか、被害者と被害を放置し、今後も原発を続けるというのが、いまの政府の方針です。私たちは、こうした方針を断固として認めるわけにはいきません。

 福島の原発の状況は、汚染水の問題、除染した汚染土の問題など、何一つ解決されたとは言えません。政府は、昨年、より積極的にこれらの問題にかかわるという姿勢を示しましたが、事故直後の対応といい、これまでの対応といい、政府は全く無責任としか言いようがありません。

 東京電力も同様です。東京電力は、賠償にしても極めて不十分かつ無責任な対応を続けていますが、賠償以外の問題については全く他人事としか考えていません。私たちはこうした姿勢を絶対容認することができませんし、根本的に改めさせなければなりません。

 私たち原発被害者は、加害者である国と東京電力が無責任な対応を続けるなか、まもなく事故から3年を迎えようとしています。全国的には事故や被害に対する「風化」も指摘されていますが、様々な被害は今日も続いていますし、事故に派生する問題も現れています。決して、事故は収束していないし、被害も終わっていない、そのことを強調したいと思います。


3.私たちのたたかいの到達について

 私たちの裁判は、昨年3月に始まりました。その後、9月に第二次提訴を行い、本年2月にはいよいよ第三次提訴が予定されていますが、“原状回復”を旗印に掲げ、国と東電の責任を追及するという私たちの方針は、多くの被害者の方たちの共感を呼び、それが2000名という広範な原告団を作ることにつながったと確信しています。みなさん、私たちの掲げる方向が、今回の事故の問題解決の正しい方向であるということを、まずは全体で確認したいと思います。

 私たちの裁判の目的は、「原状回復」・「被害の全体救済」・「脱原発」という3つのキーワードで語ることができます。そして、この裁判は、人の生命や健康よりも経済活動を優先する社会のありかたを変えようという、「脱公害」の取り組みでもあります。私たちの取り組みは、決して原発事故被害者だけのものではない、全国の心ある方々の支援や共感を得て進められていくものであるということを強調したいと思います。

 さて、提訴以来、弁護団や支援の方々の協力も得て、私たちの仲間は、短期間のうちに2000名を超えるところまでになりました。被害者の多さや要求実現の内容などからすると、まだまだ十分とは言えませんが、提訴から一年という時期に、2000名を上回る規模にまで成長できたことは、高く評価されるべきだと考えています。

 また、私たちは、法廷内のみならず、法廷外においても要求実現を掲げています。昨年3月の第1回原告団総会において、私たちは、「私たちの求めるもの、私たちの目指すもの」という8分野にわたる原告団の要求項目を採択しました。これは、私たち原告団の“マニフェスト”ともいうべきもので、原告団の一致点を確認しあったものでもあります。この要求項目に含まれているものにかかわるところでは、私たちは、福島県内の全ての原発の廃炉を求めていますが、福島第一原発の1号機から4号機に加えて、5号機及び6号機の廃炉が決まりました。また、賠償についても、被害者の強い要求もあり、昨年末には区域内の被害者の賠償費用が上積みされ、農地にかかわる賠償についても、部分的ではありますが拡大されました。極めて限定的なものではありますが、私たちの要求に沿う方向での拡大、前進がなされているということを確認し、状況は変えられるということに全体で確信をもちたいと思います。

 以上のとおり、昨年の動きをまとめますと、原告団は2000名を超えるところまで拡大し、要求実現についても極めて限定的ではありますが、それ以前よりも半歩前進といった状況にあるということ、そしてその前進は被害者自身が声を挙げたことによってもたらされたものだということを確認したいと思います。ただし、現状はまだまだ私たちの求めている水準からはほど遠いものですし、その内容もかけ離れています。こうした状況を変えていくためにも、私たちの課題はまだまだたくさんあります。


4.今年の取り組みについて

 裁判の内容そのものについては、後ほど弁護団から報告が別途ありますので、私の方からは、原告団の取り組みにかかわるものについて提起したいと思います。
 原告団として、今年の大きな方針は、

具体的には、次のとおりです。

 ①追加提訴を継続させ、本年中に5000名を超える規模の原告団を目指す

 ②役員体制を拡充し、支部としての活動を確立させ、財政基盤をつくる

 ③原告団の要求項目をより充実化させ、要求項目の実現を図る

 ④他の被害救済型及び差止型の原告団や支援との連携を強める

 ⑤他団体への働きかけを強め、要求実現での連携を深める

 ⑥首都圏での取り組みの基盤をつくる

 まず、私たちは、引き続き仲間を増やしていく必要があります。そしてそのためにも、今後も追加提訴を行っていくことが不可欠です。本年2月の第三次提訴に際し、原告団拡大のための最大限の努力を行うことが当面の課題ですが、その後も第四次提訴、第五次提訴と追加提訴を行うということを原告団として確認したいと思います。また、「5000人で裁判所は動く、1万人で国も動く」というスローガンを掲げていますが、本年の早い段階に5000人を突破させられるよう、原告団全体として位置づけたいと思います。

 次に、現在の役員は9名ですが、これは第一次提訴に先立ち、原告団が800名規模のときの体制ですので、原告団の拡大に伴い、役員も増員させたいと考えています。役員体制を20名にして、各支部に割合に応じて割り当てたい、具体的には、福島支部から6名、県中支部と相双支部から各4名、県南支部から2名、会津支部、いわき支部、米沢支部、沖縄支部から各1名という割合で提案したいと思います。各支部で現在世話人となっている方のなかから、役員を選任するという形を考えています。また、現在は原告団は8支部で構成されていますが、各支部において支部としての活動を位置づけ、財政的な取り組みにも力を入れることを訴えたいと思います。今後のたたかいを展望したとき、原告団が独自に財政をもつことが絶対に必要です。現在は、訴状や証言集、缶バッジなどを販売し、その売り上げを原告団の財政としていますが、物販やカンパなど財政活動を原告団としても疎かにせず取り組んでいく必要があります。

 あわせて、原告団の要求項目を情勢や私たちの要求内容に応じてバージョンアップさせ、要求実現を一歩でも二歩でも前進させる必要があります。そして、そのためにも他の団体などとの連携も重要となります。とくに、原発事故の被害者の方たちが、全国各地で裁判を起こしており、原告の方は全体で4000名を超えていて、つまり、その半数は私たちの原告団ということになるわけですが、全国最大の原告団として、私たちが被害者の要求実現のためにも全国を牽引していく、そういった自覚をもつ必要がありますし、そのための連携を私たち自らが積極的に強めていく必要があります。本年4月には、福島大学において「原発と人権」交流集会が開催され、私たち原告団が主催する形で分科会をもつことになっています。この分科会は、全国の原告団や支援者に参加を呼びかけて、被害者同士、原告団同士が交流し、全体救済のための方向性などについて議論することを目的としたものですが、今後こうした原告団同士の交流の機会を増やし、全体としての運動を強めていくための努力を、私たち原告団としてもより積極的に位置づけていきたいと考えています。

 加えて、私たちの取り組みは、国と東京電力の責任を明らかにさせることを通じて、全体救済を求めるものですので、様々なものについて制度化を要求することになります。ということは、省庁や国会への要請などが欠かせませんし、首都圏で私たちの取り組みを支援する体制を構築することが必要になります。これまでも、省庁や東京電力との交渉などを行ってきましたが、今年は、いよいよ首都圏での継続的な受け皿づくりに着手したいと考えています。このことは、首都圏の支援の方々を増やしていくということでもありますが、首都圏の支援者まかせにするのではなく、もちろん私たち自身が首都圏での取り組みについても自分たちの取り組みであることを自覚する必要があります。具体的な方法や時期などについては、今日のこのあとの討議などもふまえて、弁護団とも相談しながら具体化していきたいと思います。


5.おわりに

 先日の期日では、東電の過失について審理すると裁判所も明言し、法廷の中では原告側が攻勢を強めています。法廷の外の取り組みも、より活発化させ、原告団がますます元気になる、そういう一年にしていきましょう。以上で報告を終わります。


2014年1月19日 
「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団長 中島孝
 




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原発事故訴訟で東電の過失の有無が争点に 東電の門前払い戦略は不発、加害責任問われる事態も

2014.01.15 21:24|なりわい訴訟報道
■原発事故訴訟で東電の過失の有無が争点に
東電の門前払い戦略は不発、加害責任問われる事態も

東洋経済オンライン 2014年01月15日
岡田 広行 :東洋経済 記者



東京電力福島第一原子力発電所の放射能汚染事故を巡る被害者救済訴訟で、東電による過失の有無が争点になることが明らかになった。

1月14日に福島地方裁判所で開廷した民事訴訟では、担当裁判長が東電による全電源喪失の予測可能性や過失の有無について「本件訴訟の重要な争点である」と初めて明言。原子力損害賠償法(原賠法)の無過失責任原則に基づき国の基準で決まった金額を賠償すればそれでよし、としてきた東電の姿勢に、司法が疑問を投げ掛ける形になった。


全国の裁判に影響も

現在、東電を相手取って被害救済を求める民事訴訟は全国13カ所で、約4500人の原告によって提起されている。そのうち、津波対策の不備などで重大な事故を招いた東電の過失の有無が裁判で問われることになるのは福島地裁が初めて。原告弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士は、「裁判所の判断はきわめて画期的」と評価したうえで、「全国各地でのほかの被害救済訴訟にも好影響を与えるのではないか」と分析している。

福島地裁では現在までに、政府の避難指示によって住む場所を追われた住民や、放射能汚染などで生活が脅かされている住民など1985人が国と東電を相手取って被害救済を求める裁判を起こしている。1月14日までに4度の口頭弁論期日が設けられ、農業従事者や商店主、元教員など計12人の原告が、被害の実態や生活面の窮状について明らかにしてきた。それとともに原告が強く求めてきたのが、加害者責任の追及だ。

被害者である原告は訴状の中で、東電が文部科学省の地震調査委員会や原子力安全・保安院の勉強会などの指摘を無視して津波対策を怠り続けてきたと主張。その結果として、非常用ディーゼル発電機の浸水などによる全電源喪失から炉心溶融の事態を招いたと述べている。国に対しては、原子炉等規制法などに基づく強力な規制権限を持ちながら、その行使を怠り続けてきたと批判。「全電源喪失、炉心溶融というという重大事故が発生しうることは予見可能だった」と訴状で述べている。

これに対して国は「規制権限を行使するかどうかの裁量が認められている事項については、第一次的には行政機関の判断が尊重されなければならない」と主張。原告が言う国家賠償法に照らして違法となるのは、「その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときに限られる」という最高裁判決を援用して、対抗しようとしている。


不都合な資料開示の可能性も

東電も東日本大震災クラスの巨大地震や大津波は「予見できなかった」と繰り返し主張する一方、原賠法で無過失責任が規定されていることから、原告が主張する「民法上の不法行為に基づいて損害賠償を求めることはそもそもできない」と裁判所に“門前払い”を求めてきた。その場合、津波対策を怠るなどの不作為の有無や責任は一切問われないことになる。

それだけに今回、裁判所が全電源喪失の予見可能性や過失の有無を重要な争点としたことのインパクトは大きいと言える。東電は裁判を通じて過失がなかったことを立証しなければならなくなるためだ。その際、原告側が指摘するように津波対策を怠った事実があるかどうかをめぐり、「東電側はこれまで開示を拒否し続けてきた具体的な証拠を持って反論せざるをえなくなる」と馬奈木弁護士は話す。その過程で、隠されてきた重大な資料の開示を迫られる可能性も出てきた。

原賠法に基づいて被害者の主張を門前払いしたうえで、政府が設けた基準を踏まえて賠償さえしていればよしとする東電の姿勢は通用しなくなりつつある。


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福島の原発設置許可、無効確認求める訴え却下 東京地裁

2014.01.15 19:34|ほかの訴訟
■福島の原発設置許可、無効確認求める訴え却下 東京地裁
(朝日新聞デジタル 2014年1月14日)



 東京電力の福島第一、第二両原発について、東京都台東区の男性(33)が「健康被害が生じる恐れにさらされている」として、国を相手に、設置許可処分の無効確認を求めた訴訟の判決が14日、東京地裁であった。川神裕裁判長は「現在の想定では、両原発で最も深刻な事故が発生しても、男性が住む地域に直接的で重大な被害はなく、男性には原告となる資格がない」として訴えを却下した。

 裁判では、男性に原告となる資格(原告適格)があるかが争点となった。

 判決は、同種訴訟での最高裁判例に基づき、原告適格があるのは「事故により、直接的で重大な被害を受けると想定される地域の住民に限られる」と指摘。男性の自宅がある地域にそうした被害が及ぶとは想定されていないとして、原告適格はないと結論づけた。

 判決によると、男性の自宅は両原発から200キロ以上離れている。東日本大震災の直後は、近くの浄水場で国の基準値を超える放射性物質が検出された。

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政府・東電が封印する株主・貸し手責任、しわ寄せは福島・新潟に

2014.01.15 18:51|関連情報
■焦点:政府・東電が封印する株主・貸し手責任、しわ寄せは福島・新潟に
(会津若松市/東京 2013年12月27日 ロイター)


東京電力と原子力損害賠償支援機構が策定した新しい再建計画は27日、株主・貸し手責任に踏み込まない内容で政府に提出された。

 ただ、廃炉や除染に投入される国費の上限が不透明なまま、膨張を続ける構造をはらんでいる。その結果、負担増に対する国民の拒否感が高まり、原発事故で補償金を受け取る福島県民など原発事故被害者や原発再稼働にハードルを掲げている新潟県などに、国民の不満の矛先が向かい、国内に対立構図が生まれることを懸念する有識者もいる。

 だが、原発再稼働に積極的な安倍晋三政権は、アベノミクスへの国民支持が根強いことを背景に、東電の経営体質や原発問題への批判に対し、新たな対応策を立てる動きをみせていない。その一方で矛盾に満ちた再建計画に政府がお墨付きを与え、「原発復権」の勢いが加速しかねない状況となっている。


 <賠償関連の訴訟80件>

 東電が政府に提出した「総合特別事業計画」の一義的な目的は、福島第1原発事故の被害を受けた個人や法人への賠償を東電に履行させることだ。昨年5月、政府の認定を受けた現行の総合計画も「親身・親切な賠償」を掲げ、東電は約1万人の社員と派遣社員を動員して賠償業務を続けてきた。

 12月20日現在で、東電の賠償実施額は3兆1142億円(仮払金除く)。政府の原子力賠償支援機構を通じて国から無利子のカネが東電に渡り、同社は将来の収益で返済する。これまでに3.8兆円の支援が決定済み。

 だが、賠償をめぐって事故の被害者からは、「親身・親切な賠償」とはかけ離れた対応だとの批判が、事故発生から2年9カ月が経過しても噴出し続けている。東電によると、今年9月末時点で賠償金をめぐる訴訟案件は約80件に上る。

 <筋を通すと被災メーカー社長>

 そのうちの1件が、農薬メーカーのアグロカネショウ<4955.T>。昨年12月、原発事故による損害賠償の一部として約1億7300万円の支払いを東電に求める訴えを東京地裁に起こした。

 主力工場が原発から1キロ南に位置し、事故後は操業が不可能になった。裁判では外部委託先への生産移転を始めるまでの33日間分の営業逸失利益を主張している。

 この訴訟で原告のアグロ社が強調するのは、東電の賠償に対する基本的な姿勢だ。

 東電が被害者の損害を賠償するために作成した関係書類一式に含まれる案内冊子では、営業損害の考え方として、人件費など休業中でも発生する費用(固定費)を賠償に含めると明記している。

 ところが、実際に東電が記入・提出する用紙には、人件費などを差し引いた金額が損害賠償額の算出対象となる額として明記され、先の冊子で示された基本方針とは違った姿勢が示されている。

 アグロ社の代理人を務める村上重俊弁護士は「福島事故の賠償書式の不公正は、1社だけの争点ではない」と裁判の意義を強調する。

 アグロ社の櫛引博敬社長は「金額としては大きくはないが、筋は通したい」と語る。裁判を担当するアグロ社の井上智広専務は「けさ(12月10日)も東電の人が来ていたが、支援機構の意向を気にして仕事をしているのがありありとわかる。親身・親切な賠償とはとても言えない」と述べた。

 東電側はアグロ社との係争について「訴訟内容についてコメントを差し控えるが、訴訟において請求内容や主張を聞いたうえで真しに対応する」(広報部)とコメントしている。

 経済産業省幹部は「損害賠償は給付金と違う。不法行為に対する賠償は相当な因果関係があり、合理的な範囲内で払うのが鉄則。裁判の判例は被害者に必ずしも優しくない」と指摘する。


 <被災者への冷たい視線>

 福島第1原発が立地している大熊町など放射線量が高い「帰還困難区域」の住民には、政府が設置した「原子力損害賠償紛争審査会」の指針に基づいて、1人当たり600万円の慰謝料が支払われてきた。精神的損害に対する賠償金として毎月10万円、5年分を一括して払うものだ。

 福島県会津若松市に避難している大熊町商工会の蜂須賀禮子会長が、取材に応じた。被災者の立場で国会事故調の委員を務めた蜂須賀会長は、夜遅くにタクシーに乗り込むと国会議員に間違われた。「『先生、夜遅くに大変ですね』と声を掛けてくるから、『いや、避難者です』と話したら、運転手に『ああいいですね、600万円もらえて』と言われた。わたし小さな花屋だが、ひと月10万円なんかで暮らしていなかったと話してわかってもらった」という。

 被災したある小学生は、県内の転校先の運動会で「頑張れ600万円」と教師からヤジを飛ばされた。商工会会員から聞いた実話だという。商工会経営指導員の廣島正人氏は「被害者がいつの間にか加害者に、被害者は国民になっている。被害者のほうが悪いかのような方向にすり替えられている」と話す。

 紛争審査会が10月に公表した資料によると、帰還困難区域を対象に各賠償項目で東電が支払った平均値を合算し、家族4人のケースを抽出すると、1世帯当たり9000万円が支払われた。

 かなりの金額にみえるが、廣島氏の見方は違う。「先祖から引き継いだ家、田畑があって、家庭や地域の信頼関係があって定年退職すれば農業で細々と食べていく。そうした環境が9000万円で買えるかといえば買えない」と述べている。

 同氏は、営業損害に対する賠償金を個人事業主が受け取った場合、課税対象になることも理不尽だと強調する。事業をしていないので経費がかからず課税所得が多くなってしまうからだ。同氏は「財務省は東電に渡したカネの一部は税金で戻ると計算しているのだろう」と述べた。

 蜂須賀会長は「事業を再開したら、税金を払うのは当たり前のこと。でも、新しい土地で商売を始めても信用を作るのに数年かかる。そうした不安に対して国の仕組みは優しくない」と訴える。


 <税金と電気料金、国民負担が膨張しやすい構図>

 政府は、除染ではぎ取った土を保管する施設の建設(1.1兆円)に国費を投入し、法律では東電が負担する除染費用(2.5兆円)も国が資金繰り支援する方針を先週、閣議決定した。

 廃炉・汚染水対策でも2013年度に685億円の国費投入が決定しているが、溶融核燃料の取り出しなど現在の技術では見通しのつかない難工程の克服など廃炉作業に今後、どれだけの資金が必要なのかめどはついていない。

 福島原発事故の費用が将来どれだけ膨らもうとも、負担の主体は、1)国民=税金、2)電気の利用者=電気料金、3)東電とそのステークホルダー―に限られる。

 国会事故調委員を務めた野村修也・中央大学法科大学院教授(弁護士)は、新総合計画について「株主、(金融)債権者は全く責任を取っておらず、全て国民が負担するスキームだ」と批判する。

 「税金を入れることに納得感のないスキームで走ったら、国民はどこかで負担の上限を要求する。キャップをはめると被害は被災者に及ぶ。<国民対被災者>という形になってしまう」と述べ、不幸な対立構造の出現を懸念する。

 金融関係など多数の政府審議会・研究会委員としての経験を持つ野村氏は、東電の分割が必要だと説く。要約すると、1)東電を株式の配分比率で例えば70の会社(電力供給)と30の会社(事故処理)に分割し、既存株主に2社の株式を持たせる、2)事故処理会社は破綻させて国が運営、従業員の処遇は公務員に準じる、3)2兆円弱の震災前融資は一定程度カット、4)通常の債権よりも返済が優先される電力債は電力供給会社に移してデフォルトは起こさない―─との内容だ。

 しかし、政府は、福島事故処理を直接引き受けることに強い拒否感を示している。経産省中堅幹部は「役所にとっては、被害者と向き合うときに、こいつが悪いのです、と言える存在としての東電が必要ということだ」と話す。


 <新潟県知事と東電に立脚点の違い>

 新しい再建案が計画通り進むかどうかは、柏崎刈羽原発の再稼働状況にかかっている。同社は「汚名返上だ」(幹部)と再稼働に意欲満々だが、東電に対して厳しい姿勢を貫く新潟県の泉田裕彦知事の了解を取り付けるのは容易ではない。

 新計画では、来年7月に6、7号機が、15年春に1、5号機が、16年度までに2、3、4号機が順次再稼働する前提で収支計画を組んでいる。ただ、再稼働が実現しない場合は料金再値上げを選択肢としている。

 泉田知事は「再稼働か、値上げか」という論法自体を否定する。「経営が苦しいのは事故を起こしたからであって、だからこそ安全対策が必要だ」「東電は安全性に十分に投資できない不安がある。(福島などの)分割が必要ではないか」(10月28日、ロイターのインタビュー)などと主張しており、東電との立ち位置の隔たりは大きい。新潟県は東電の営業区域ではないので、東電の再値上げに対して泉田氏は責任を負う立場にない。

 野村氏も再稼働ありきという点を問題視する。「事故を起こした東電は、住民との信頼関係回復が一番難しい会社。他の原発が稼働して世の中がある程度容認する状況になったときに、ゆっくりと信頼関係の回復を図って稼働問題を議題にするならわかるが、事故処理にカネが掛かるから早く再稼働させるという、経営の判断としてはとても変な状況に陥っている」と指摘している。


 <原発推進、ブレーキは外れたか>

 東電の総合特別事業計画の認定に当たる茂木敏充経産相は株主・貸し手責任をどう考えるのか。

 24日の閣議後会見で「丸ごと破綻処理は現実的でないにしても、株主・貸し手責任の踏み込みが足りないのでは」というロイターからの質問に対し、茂木経産相は「東電は改革を先取りし、企業価値を高めることにより株価も上昇し、その利益によって(除染費用の政府肩代わり分を)支払う状況にもっていってもらいたい」などと回答。さらに「細かいことは1時間くらい話せるが、大きなところはそのくらいにせさてもらう」とかわした。

 自民党の河野太郎衆院議員は、東電の新再建計画について「もうめちゃくちゃ。破綻処理もしないで税金を投入するのは資本主義のルールを逸脱しすぎている。裏でやり過ぎているし、東電を不当に守ろうとしている。(安倍政権の)支持率に大きく影響するだろう」と批判のボルテージを上げた。

 福島事故以前から脱原発を主張し、党内で異彩を放っていた河野氏は「(原発批判は)事故前は私1人でやっていたようなもの。同志も増えているし、自民党も変わってきている」と語った。

 ただ、年明けには東電の新再建計画の認定に加え、原発を「基盤となる重要なベース電源」とする新しいエネルギー基本計画が閣議決定されるなど推進派が勢いづく材料に事欠かない状況だ。河野氏は「事故以前に比べてブレーキは踏んでいるけど、サイドブレーキは外れた感じだ」と話した。

 (浜田健太郎 編集:田巻一彦)


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東電の過失責任が審理対象に 東電原発訴訟 裁判長「重要な争点」

2014.01.15 12:14|なりわい訴訟報道
■東電の過失責任が審理対象に 東電原発訴訟 裁判長「重要な争点」
(福島民報 2014/01/15)



 東京電力福島第一原発事故の被災者でつくる福島原発訴訟原告団が国と東電に慰謝料などを求めた訴訟の第4回口頭弁論は14日、福島地裁(潮見直之裁判長)であった。潮見裁判長は、「東電が津波対策を怠ったことで原発事故を招いた」とする原告側の主張に沿って、同社に過失責任があったかどうかを審理対象とする考えを示した。

 潮見裁判長は「賠償額算定のために東電の過失の種類・程度の審理が必要」とした上で、「(過失が)重要な争点となる」との見解を示した。東電は原発事故での過失や程度を問わない原子力損害賠償法に基づき審理を進めるように主張していた。原告側弁護団によると、全国13の地裁・地裁支部に東電と国を相手取って提訴された訴訟で、東電の過失を審理対象とするのは初めてという。

 原告側は東電の過失立証のため、昨年11月に東電から拒否された福島第一原発への津波到達予測試算データの開示を再度求めた。

 次回は3月25日午後3時から。

( 2014/01/15 09:32 カテゴリー:主要 )



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東日本大震災の時に首都圏在住在勤。キヨシローの反原発ソングしか知らなかった自分を反省し、当時小3になったばかりの子供を放射能からどう守ったらよいか真剣に学ぶ。1年後、沖縄に移住。2012年12月、沖縄にいる原発避難者のための東電による説明会が行われたが、その開催に尽力したのが避難者支援の市民団体『つなごう命〜沖縄と被災地をむすぶ会〜』だった。共同代表の沖本八重美さん(2013.1.26永眠)は広島原爆の胎内被爆者ゆえ、新たな被ばくの犠牲者に対し深い共感をもって支援した。深刻かつ長期にわたる被害に対し “法廷で東電と国の責任を問う” ことが八重美さんの悲願だった。私も同じ気持ちでこの訴訟の支援を続けて行きたいと思っている。

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