第33回 日本環境会議沖縄大会 第5分科会「放射能公害と生存権」①

2016.10.29 21:51|関連イベント
日時:2016年10月23日(日) 9:00〜12:30

場所:沖縄国際大学 2号館 201号室

コーディネーター:新城知子 矢ヶ崎克馬 吉井美知子

報告:

(1)歴史上最悪の放射能公害と健康被害
・矢ヶ崎克馬(琉球大学名誉教授・物性物理学)
 「福島事故による放射能公害/原発・被曝に関する国際的枠組」

・高松勇(医療問題研究会/小児科医)
 「原発事故がもたらす健康被害」

・守田敏也(フリーライター)
 「原発と地球人・地球環境の生存権」

(2)放射能公害下の避難者・市民
・黒潮武敬(原発事故避難者に公的支援を求める会)
 「避難者の実情と生存権」

・伊藤路子(料理研究家/色鉛筆画家)
 「国は民を守らないー内部被曝防護でぬちどぅ宝を!」

・久保田美奈穂(「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告)
 「原発事故から思うこと」

(3)海外への原発輸出と先住民の人権
・吉井美知子(沖縄大学人文学部)
 「ベトナムの原発計画と先住民族チャム人」

・中生勝美(桜美林大学)
 「台湾離島の核廃棄物貯蔵場とタオ族の民族運動」

コメント
・山口泉(作家/小説・評論)
 「放射能公害と人権意識」

・除本理史(大阪市立大学/日本環境学会事務局次長)
 「原発事故と被害者の権利回復」



以下、印象に残った発表についてのメモを公開します。


■ベトナムの原発計画と先住民族チャム人

吉井美知子氏は12年ベトナムで暮らし、ベトナム人夫と二人の子供をベトナムで育てた
ベトナムは社会主義国で共産党の一党独裁 言論の自由は基本的にない
一般にベトナム人と呼ばれる人々は多数派民族の「キン人」のことで、支配層にもなっている
原発建設は国策なので一般人は反対意見も言えない状況
現役を引退した一部の有識者だけが反対意見を明確に述べているが、推進派の政府高官は「ロシアも日本も原発事故を経験しているのでかえって安全だ」などと述べている

ベトナム政府が原発を建設するのはチャム人7万人が住むニントゥアン省
日本とロシアが受注し二ヶ所で建設に向けた整地作業などが進んでいる状況
チャム人の信仰の場として重要な石のリンガも整地のためいつのまにか破壊されていた

チャム人について:
チャム語(小学校で週3回授業)チャム文字を持ち、独自の文化と信仰を守る イスラム教徒でインド系の文化
ベトナム政府はチャム人を先住民族と認めていないが、53の少数民族の一つとしては認めている
(先住民族と認めると保護政策を取らなければならなくなるため)
子だくさんで人口も増えているため「チャム人は人口が多いから原発事故で少々死んでも大丈夫」というキン人共産党幹部の暴言もあった

チャム人の反対運動は命がけ:
2012年に日本の野田首相あてに抗議文を提出したが、文書に署名したチャム人68名、キン人6名は、ひとりを除いて全員公安警察に呼び出され、そのあと交通事故にあったり入院させられ化学物質中毒と診断されたり不審な展開を見せた

チャム人詩人で作家のインサラ氏(58歳):
チャム語とベトナム語の二言語で自身のサイトを開き、命がけで原発の危険性を訴えている
「原発建設は大都市が出現するようなもの。たとえ事故がなくても我々の文化と信仰全体を破壊する」

チャム人に対するキン人の差別の構造は、沖縄に日本の米軍基地が集中しているのと同じ


■台湾離島の核廃棄物貯蔵場とタオ族の民族運動

中生勝美氏は広島生まれのヒバク2世で、長年台湾離島のランショ島に住むタオ族(以前の民族名称はヤミ族)を人類学的に調査してきた

現地の人々が不安に感じている放射性物質の漏洩や発ガン率の高さについて、放射線や医療の専門家と協力できないか考えてきたが、311後研究費を獲得し、津波・放射線・医療の専門家と調査団を組織し調査を始めた

台湾の原発建設は、中国に軍事的に対抗する核兵器製造のために始まった
現在3基の原発が稼働、4基目は建設反対運動により計画中止となった
台湾においても、原発の管理と安全性には多くの疑問がある

ランショ島に核廃棄物貯蔵場がつくられた当初は一時保管して海洋投棄する計画だったが国際法で禁止され永久保管になってしまった
1982年〜1995年にわたり、合計10万個の核廃棄物ドラム缶が搬入されたが、保管施設は海辺にあり風が強いので施設がボロボロになりやすく、エアコンが3年でダメになるような場所。施設には光も入るの暑く、暑いから風を入れて作業をしてしまっている上に防護もいい加減(暑いので短パンにスカスカの防護服)
錆びてボロボロになったドラム缶の中身をリパックする作業は非常に危険
線量の高さから、ドラム缶の中には高レベル廃棄物が入っているのがわかっている

ランショ島の苔のセシウム量のモニタリング調査では2009年よりはっきりと上昇している
ランショ島の貯蔵場付近のゴミ焼却場付近の空間線量率は3〜4マイクロシーベルト毎時
3000名の住民のうち甲状腺ガン患者が5名、白血病で2名が亡くなっており住民は不安を募らせている
このようなずさんな管理の状況から、台湾政府に「少数民族は人ではない」という感覚が根底にあるという確信をもっている

台湾では、線量の異様な高さから原発で使用した鉄骨のリサイクルが発覚し大騒ぎになったことがある

琉球大学の研究から、宮古・石垣島を襲った明和の大地震の津波がランショ島にも来た可能性が示唆されている
東電事故原発湾岸から太平洋に垂れ流している汚染を国際的に恊働して止める必要がある

以上
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BQN

Author:BQN
東日本大震災の時に首都圏在住在勤。キヨシローの反原発ソングしか知らなかった自分を反省し、当時小3になったばかりの子供を放射能からどう守ったらよいか真剣に学ぶ。1年後、沖縄に移住。2012年12月、沖縄にいる原発避難者のための東電による説明会が行われたが、その開催に尽力したのが避難者支援の市民団体『つなごう命〜沖縄と被災地をむすぶ会〜』だった。共同代表の沖本八重美さん(2013.1.26永眠)は広島原爆の胎内被爆者ゆえ、新たな被ばくの犠牲者に対し深い共感をもって支援した。深刻かつ長期にわたる被害に対し “法廷で東電と国の責任を問う” ことが八重美さんの悲願だった。私も同じ気持ちでこの訴訟の支援を続けて行きたいと思っている。

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