第33回 日本環境会議沖縄大会 第5分科会「放射能公害と生存権」②

2016.10.30 04:11|関連イベント
日時:2016年10月23日(日) 9:00〜12:30

場所:沖縄国際大学 2号館 201号室

コーディネーター:新城知子 矢ヶ崎克馬 吉井美知子

報告:

(1)歴史上最悪の放射能公害と健康被害
・矢ヶ崎克馬(琉球大学名誉教授・物性物理学)
 「福島事故による放射能公害/原発・被曝に関する国際的枠組」

・高松勇(医療問題研究会/小児科医)
 「原発事故がもたらす健康被害」

・守田敏也(フリーライター)
 「原発と地球人・地球環境の生存権」

(2)放射能公害下の避難者・市民
・黒潮武敬(原発事故避難者に公的支援を求める会)
 「避難者の実情と生存権」

・伊藤路子(料理研究家/色鉛筆画家)
 「国は民を守らないー内部被曝防護でぬちどぅ宝を!」

・久保田美奈穂(「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告)
 「原発事故から思うこと」

(3)海外への原発輸出と先住民の人権
・吉井美知子(沖縄大学人文学部)
 「ベトナムの原発計画と先住民族チャム人」

・中生勝美(桜美林大学)
 「台湾離島の核廃棄物貯蔵場とタオ族の民族運動」

コメント
・山口泉(作家/小説・評論)
 「放射能公害と人権意識」

・除本理史(大阪市立大学/日本環境学会事務局次長)
 「原発事故と被害者の権利回復」


以下、印象に残った発表についてのメモを公開します。


■山口泉氏のコメントより
横浜で脳腫瘍になったお子さんを知っているが、入院先の病院で小児ガン患者の親たちが「原発事故のせいで小児がんが多発しているのではないか」と声をひそめて話している
原発事故には「降伏」することさえ許されていない
こんなに酷い事故があっても人々が平然と暮らしていることに衝撃を受けている
福島米を販売している沖縄食糧が沖縄からマレーシアに輸出することを美談として報道
汚染は米ぬかに多いのでそれを畑に撒いてしまうなどの懸念


■除本理史氏のコメントより
専門は環境経済学
食品流通、放射性廃棄物処理(焼却・埋立・再利用など)から被曝しないように「被曝を避ける権利」を全ての人に与える必要がある
被曝による健康被害に対する深刻な不安・恐怖は身体権に直結した平穏生活権の侵害にあたる
被曝による不安は東電賠償(直接請求)の対象外である
年間20ミリシーベルト以下の空間線量率の被害は被害ではないという国と東電の論理基準はおかしい
実際は、空間線量率の数値に関わらず、ふるさとの喪失・変容を含む深刻な被害が起きている


■質疑応答で会場から出た質問
福島県に住むおばが農家をやっている
黒潮氏の報告の中で、原発事故前の食品汚染の数値と原発事故後の「基準値」を比べて〜倍と示すのはいかがなものか
福島の生産者の努力についてもっと評価すべきではないか
放射能公害の被害は健康被害だけではないことを知ってほしい


■質疑応答での矢ヶ崎克馬氏のコメントより
福島の生産者の方のご苦労は存じているがやはり命が一番大事、ぬちどぅ宝、誰もが被曝しないようにすべき
沖縄の方の話でお母さんとお子さんのひとりに脱毛と鼻血が続いていた
もしかしたら、と福島の米を食べるのをやめたら脱毛も鼻血も収まったケース
福島の全袋検査は精密測定をしていないので25ベクレル以下の汚染は通してしまう


■質疑応答での守田敏也氏のコメントより
福島の生産者とは沢山会って直接話をしてきた
カリウムをまくことによって生産物のセシウム吸収を抑える対策を取っているが、田んぼや畑のセシウムが減るわけではない
生産物のセシウムが少なかったとしても、農作業で農家の人々が被曝することを忘れてはいけない


■質疑応答での清水修二氏(福島大学副学長)のコメントより
福島大学構内の現在の空間線量率の数値の説明
事故後4ヶ月の累計被曝線量
ヨウ素131は8日間で消えた
セシウムは3年で半分になった
現在は避難する必要がある線量でないと判断している
飯舘村の現在の線量は年間3ミリシーベルト
生協の陰膳調査ではセシウム不検出でカリウムしか出ないので食事による内部被曝の心配はないと考える
現地の人々にとっては被曝量の問題でなく生活の問題であり、数字と向き合って生きている
被曝に関してはそれぞれの選択をお互いに尊重することでしか解決できない


■質疑応答での名嶋義直氏(琉球大学)のコメントより
専門は言語学
東日本大震災を仙台で経験し今年から琉球大学に勤務
311後、報道されている言葉の裏側にあるものを研究してきた
国の機関は数字やデータそのものをいじってから「安全基準」を出している
そのことを知った上で人々がどう判断するかが重要
自分が判断するために何をしたらよいのか
専門家の情報がどのようなものか判断するにはどうしたらよいのか
今日の報告者のどなたか答えて頂けないだろうか

以上
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BQN

Author:BQN
東日本大震災の時に首都圏在住在勤。キヨシローの反原発ソングしか知らなかった自分を反省し、当時小3になったばかりの子供を放射能からどう守ったらよいか真剣に学ぶ。1年後、沖縄に移住。2012年12月、沖縄にいる原発避難者のための東電による説明会が行われたが、その開催に尽力したのが避難者支援の市民団体『つなごう命〜沖縄と被災地をむすぶ会〜』だった。共同代表の沖本八重美さん(2013.1.26永眠)は広島原爆の胎内被爆者ゆえ、新たな被ばくの犠牲者に対し深い共感をもって支援した。深刻かつ長期にわたる被害に対し “法廷で東電と国の責任を問う” ことが八重美さんの悲願だった。私も同じ気持ちでこの訴訟の支援を続けて行きたいと思っている。

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